研究課題
基盤研究(B)
本研究の目的は、骨に無数に張りめぐらされている骨細胞ネットワーク(骨細胞・骨細管系)が骨基質ミネラルの調節・維持および骨リモデリングに対してどのような細胞学的作用を示すのかin vivoで解明することである。本研究によって明らかにされた点は以下である。1)骨細胞・骨細管系の配列における幾何学的規則性は、成熟骨である皮質骨で発達しており、そのような規則的に配列した骨細胞からはスクレロスチンやFGF23といった因子が多量に産生されること、2)オステオプロテジェリン遺伝子欠損マウスやklotho遺伝子欠損マウスといった骨代謝回転が異常を示す状態では、骨細胞・骨細管系の配列が不規則となり、DMP-1やスクレロスチンなどの産生が影響を受けることも明らかにしている。3)さらに、規則的な骨細管系に存在する骨細胞は、副甲状腺ホルモンに反応して、周囲の骨基質ミネラルを溶出する可能性も得られた。
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