研究課題/領域番号 |
21390489
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
山崎 英俊 三重大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (00283987)
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研究分担者 |
山根 利之 三重大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (30452220)
川添 真史郎 三重大学, 大学院・医学系研究科, 助教 (30467360)
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キーワード | 神経堤細胞 / 中胚葉 / 歯髄 / 胚性幹細胞 / 硬組織 / 再生 / 間葉細胞 |
研究概要 |
本年度は、[1]中胚葉或いは神経堤由来細胞を標識できるマウスから歯胚(歯髄)の間葉系細胞を単離し、細胞表面マーカーの解析と間葉系幹細胞評価法の一つであるCFU-Fアッセイを行なった。歯胚(歯髄)には神経堤由来細胞のみならず、中胚葉由来の細胞も存在し、主に神経堤に由来する細胞がコロニー形成能を持ち、主に血管周囲に存在する事がわかった。歯に存在する神経堤由来細胞は、骨や軟骨や脂肪への分化能を持ち、一方で中胚葉由来の細胞は、主に血管内皮様細胞であり、間葉系細胞への分化能は高くないことがわかった。[2]中胚葉或いは神経堤由来細胞を標識できるマウスの歯胚(歯髄)の間葉系細胞を細胞分取装置を用いて単離し、両細胞の遺伝子発現を検討した。歯に存在する神経堤に由来する細胞は確かにp75NGFRやAp2,Sox10という神経堤に特異的に発現する転写因子を発現し、一方中胚葉に由来する細胞はBrachyuryを発現し、両者は遺伝子発現が異なる事が分かった。[3]中胚葉或いは神経堤由来細胞を蛍光標識できるマウスから神経堤由来細胞或は中胚葉由来細胞を蛍光蛋白YFPで標識できるES細胞株を樹立した。この胚性幹細胞からYFPを指標に神経堤細胞系譜或は中胚葉系譜の細胞を誘導し、単離し、両細胞系譜から神経、色素細胞や骨、軟骨、脂肪、血液を分化誘導しうることを確認した。[4]神経堤由来細胞から神経堤細胞系譜である象牙芽細胞を標識できるES細胞株を作製する計画を立てた。まず、我々が樹立したB6由来の神経堤細胞を標識できるES細胞株を用いたが、組み換えES細胞株は作製できなかった。その後、組み換え遺伝子を再作製し、さらにB6細胞株や129Sv由来のES細胞株にて同様の実験を行なったが、未だに組み換えES細胞株の樹立には至っていない。現在、理化学研究所の動物作製部門の専門家と話しあって、再実験をおこなっている。従って、当初予定していた象牙芽細胞を標識できる胚性幹細胞株を用いたマウスの作製には至っていない。
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