研究課題
基盤研究(B)
間葉系幹細胞(MSC)についてその表面マーカーを開発し、MSCを純化し、関節炎動物の炎症性骨破壊を制御することを最終的な目的とした。マウスMSCの分離が不安定であったことから、安定に得られるラットの間葉系幹細胞について、表面マーカーの開発とラット関節炎モデル(アジュバント関節炎)の制御を中心に行なった。bFGF依存的な増殖を指標として調製されたラットMSCは骨芽細胞、軟骨細胞、脂肪細胞へ分化する能力を有しており、表面マーカーもCD90+、CD29+、CD31-、CD45-であり幹細胞であることを確認した。MSCは破骨細胞分化抑制性サイトカインであるOPGとIL10を発現することが分かった。MSCは破骨細胞分化を顕著に抑制した。MSCはケモカイン受容体であるCCR1とCCR3及びCXCR4を発現しており、炎症性骨破壊部位で高発現するケモカインMIP-1αとSDF-1αに対して走化性を有することが分かった。アジュバント関節炎ラットにMSCを投与したところ炎症性骨破壊が顕著に抑制された。MSCが炎症部位へ選択的に移動し,破骨細胞分化を制御する可能性が、本研究により示唆された。
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