研究課題/領域番号 |
21390493
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研究機関 | 独立行政法人医薬基盤研究所 |
研究代表者 |
古江 美保 独立行政法人医薬基盤研究所, 生物資源研究部・細胞資源研究室, 研究リーダー (80257310)
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研究分担者 |
小原 有弘 独立行政法人医薬基盤研究所, 生物資源研究部・細胞資源研究室, 研究員 (20392300)
川端 健二 独立行政法人医薬基盤研究所, 基盤的研究部・遺伝子導入制御プロジェクト, サブプロジェクトリーダー (50356234)
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キーワード | 幹細胞 / 再生 / 発生 / 分化 / 細胞工学 / iPS細胞 |
研究概要 |
マウスES細胞から神経堤への分化プロトコールの開発を完成させた。マウスES細胞を胚様体を形成させず、単層無血清培養にて、種々の増殖因子を処理することにより、神経堤のマーカーを発現する細胞集団を誘導することが可能となった。さらにこの細胞集団の分化能を同定したところ、神経堤から分化できる組織への分化が認められた。そこで、これを基礎として、ヒトiPS細胞から顎骨・歯の誘導を行い、ヒトにおける顎・歯の発生メカニズムを解明するために必要なヒトiPS細胞の機能評価と研究に使用するクローンの選択を行った。 山中研樹立ヒトiPS細胞201B7、201B2、京都大学樹立ヒトEs細胞khEs-1、khEs-3、ウィスコンシン大学樹立ヒトES細胞H9、成育医療センター樹立ヒトiPS細胞5株について、国際ヒトES細胞イニシャティブプロジェクトによる標準化プロトコールに従って、細胞表面抗原解析、遺伝子発現解析、核型解析、胚様体を作成後のPCR arrayによる遺伝子発現解析などを行った。また、研究者代表者が開発したヒトES細胞用無血清培地h ESF9を用いて、これらの株の培養を試した。以上の解析結果とヒトES細胞を使用してきた経験を含めて総合的に判断し、ヒトES細胞H9、ヒトiPS細胞Ticを、今後の神経堤誘導研究に用いることに決定した。また、ヒト間葉系幹細胞は近年、多分化能を有する可能性が指摘されており、ヒトES細胞やiPS細胞と並んで再生医療に用いやすいソースとして期待が高まっている。そのため、誘導実験に用いることが容易な、遺伝子導入により不死化されているヒト間葉系幹細胞も併せて分化誘導研究に用いることに決定した。 今後、これらの細胞を用いて、神経堤細胞や内胚葉への分化誘導実験を行っていく。
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