研究課題
主要な歯周病原菌Porphyromonas gingivalisを標的として、当研究室で構築したゲノムデータベースを基盤に、歯周病の効果的な新規治療標的分子を探索し、その標的分子に対して、臨床で実用化可能な安全性の高いヒト型中和抗体の作製と歯科界では初といえるIT創薬の開発を試みることを目的としてスタートした。また、研究成果を網羅的有機的に利用できるようなデータベースを構築し、歯科界の共通財産として公開することで歯周病撲滅のための研究推進に役立てるために、P.gingivalis TDC60(II型)ゲノムプロジェクトに取り組み、本年度終了した。この結果をもとに、ATCC33277(I型)、W83(IV型)の各遺伝子の相同性を比較し、TDC60(II型)特異発現標的分子の探索を行い、治療標的分子の遺伝子クローニングと組換えタンパクの量産に取りかかっている。TDC60株で特異に発現しているマイナー線毛Mfa1分子は、33277株では発現量の少ない分子だが、病原性、抗原性の高い分子である報告も多いことから、TDC60株に見られる病原性の起因の一つである可能性が示唆された。本研究の付加価値として、本大学院教育でゲノム科学基礎研究者として大学院生を参加させ、歯科医学の将来をになうゲノム科学専門研究者として育成することを目指しており、遺伝子発現解析技術、解析の研究拠点として機能を果たし、本校にとどまらず全国的に貢献した。一方、40-kDa外膜タンパクの立体構造情報をもとにDOCKシステムを利用してin silico screeningを行いリード化合物の探索を行なう準備としてヘム結合部位の候補を探索し、検討を行っている。
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