研究課題/領域番号 |
21390510
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
赤峰 昭文 九州大学, 大学院・歯学研究院, 教授 (00117053)
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研究分担者 |
前田 英史 九州大学, 大学病院, 講師 (10284514)
和田 尚久 九州大学, 大学病院, 助教 (60380466)
藤井 慎介 九州大学, 大学病院, 助教 (60452786)
友清 淳 九州大学, 大学院・歯学研究院, 助教 (20507777)
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キーワード | ヒト歯根膜細胞 / 未分化な歯根膜細胞株 / 炭酸アパタイト / TGF-β1 |
研究概要 |
(1)歯根膜再生に最適な足場の検討 私たちは、これまでβ-TCPを線維芽細胞増殖因子またはBone Morphogenetic Protein2にてコーとしたものを、細胞の足場材として用いることの可能性について検討してきたが、その効果がひくことが明らかになった。そこで最近、当研究機関で開発された炭酸アパタイトの上でヒト歯根膜由来のプライマリー細胞(HPDLC)の培養を行った結果、その表面に細胞が接着し、さらに細胞の増殖が可能であること判明した。この炭酸アパタイトを、免疫不全マウスの背部皮下に移植した結果、硬組織の形成が促された。 (2)歯根膜形成能を持つ形態形成因子の同定 HPDLCまたは未分化な歯根膜細胞株(1-11細胞株)をTransforming Growth Factor-β1 (TGF-β1)にて刺激した結果、1-11細胞株の線維芽細胞様細胞分化を促進し、歯根膜組織の中心的な構成成分であるI型コラーゲンならびにfibrillinlの合成を促進した。一方HPDLCに対しては、同様の結果が得られなかったことから、TGF-β1が歯根膜再生の形態形成因子の1つであることを明らかにした。現在さらに他の因子との相互作用について検討を加えている。 (3)歯根膜形成能を有する未熟な細胞の同定 これまでの報告で、1-11細胞株ならびにさらに分化度の低い1-17細胞株を用いて、cDNAマイクロアレイ解析を行った結果、1-17細胞株と比較して1-11細胞株において、神経細胞の分化に深く関与する因子、そして細胞増殖やストレスに関連した転写因子の発現が強いことが明らかになった。現在、これらの因子について、歯根膜細胞の分化に及ぼす影響について解析を進めている。
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