研究概要 |
歯質接着メカニズムを解明するため、平成21年度に引き続き、酸や機能性モノマーの分子構造とアパタイト表面における化学的相互作用との関連性について分子レベルで解析した.本年度は,作成中であった論文の追加実験として4-MET,Pheny1-Pと10-MDPに加え,3種類のホスホン酸系機能性モノマーの反応特性を比較し.アパタイトに対するそれぞれの機能性モノマー反応メカニズムを検討した また、骨とチタンとの界面に関しては,チタン、金,アルミナ、ジルコニアなどをコーティングしたガラス面上に骨芽細胞を播種し,材料表面での挙動を観察した。金に比べ,チタン,アルミナおよびジルコニアは骨芽細胞の接着性に優れていた。中でもチタンは,細胞にメカニカルストレスが掛かった時に接着性が増すことも示唆された。 さらに、本年度はロンベルグ症候群患者歯根膜細胞の特性を調べるため,健常者の歯根膜細胞と比較した場合のRNA発現の違いについて検討を行った。 Total RNAの品質検定はアジレント2100バイオアナライザを用いて行った。ラベリング方法は1色法(Cy3標験)で行い,解析対象プローブアレイとしてWhole Human GenomeオリゴDNAマイクロアレイ(Agilent Technologies)を用いた.データの解析はGeneSpring GX 11 (Digital Biology)を用いて行った。この解析の結果,ロンベルグ症候群患者歯根膜細胞と健常者歯根膜細胞で発現量が10倍以上異なる遺伝子が57個(ICAM1,GRP,SSTR1等)存在することが明らかになった。
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