研究分担者 |
原 哲也 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 准教授 (60238160)
西川 悟郎 岡山大学, 大学病院, 講師 (00172635)
沖 和広 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (00346454)
兒玉 直紀 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (70534519)
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研究概要 |
咬合接触関係に明瞭な異常がみられないにもかかわらず咬合異常を訴える咬合感覚異常症や顎関節症患者ならびにブラキシストにおける咬合感覚の変化については歯根膜感覚閾値の簡便かつ再現性のある計測方法がないために、これまで正確な評価を行うことができなかった。本研究においては、独自に開発した小型軽量かつ再現性を有するアクチュエータを用いて,正常有歯顎者ならびに顎機能異常患者を対象として,歯根膜感覚閾値データを収集した。 被験者として,岡山大学病院補綴(咬合・義歯)科顎関節症外来を受診した患者20名を対象とした。また,顎口腔機能に自覚的他覚的に異常を認めない正常被験者20名を対照群とした。顎機能に関する臨床診査は、バイアスを避けるために、診査トレーニングを受けた1名の検者が診査を行った。 歯根膜感覚閾値の計測は上顎左側第一大臼歯を対象として実施した。計測に際しては環境因子のコントロールのために、ノイズキャンセリングヘッドホーンを装着しピンクノイズによって機能的なシールドを行った。アクチュエータによる撃力刺激はコンピュータ制御下に下降系列を用いて実施した。 結果として,顎関節症群における左側上顎第一大臼歯の撃力刺激に対する感覚閾値は平均約53±14mNであり,正常対照群における同閾値は約43±10mNを示した。これら2群の平均値間には有意な差が認められた。また,顎関節症の病態によっても歯根膜感覚閾値は異なっている可能性が示唆され,今後の臨床応用への可能性および有用性が強く示唆された。
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