研究課題/領域番号 |
21390532
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
星 和人 東京大学, 医学部附属病院, 特任准教授 (30344451)
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研究分担者 |
高戸 毅 東京大学, 医学部附属病院, 教授 (90171454)
森 良之 東京大学, 医学部附属病院, 准教授 (70251296)
藤原 夕子 東京大学, 医学(系)研究科(研究院), 特任助教 (50466744)
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キーワード | 再生軟骨 / インプラント / スカフォールド / 顎顔面 / 軟骨細胞 |
研究概要 |
本研究では、厳密な3次元形状の維持を必要とする口腔外科領域への再生軟骨の応用法を確立することを目的とし、再生軟骨ペレットを三次元的に癒合させてスカフォールドフリーの再生軟骨を作製し、かつ、再生軟骨が移植後に吸収されないように母床組織の組織張力を調節する手術手技を確立する。第2年次である本年度では、1)3次元化のための培養システムの確立、ならびに2)移植部位の母床形成および組織張力の軽減のための処置検討、を検討した。1)3次元化のための培養システムの確立では、鼻形成や顎関節形成に必要な軟骨の3次元形状を再現するシリコンテンプレートを作製した。このシリコンテンプレートに基づき、アガロースキャストを作製し、軟骨細胞ペレットを投与してペレット同士の接着を促進する3次元培養をおこなった。3次元培養はBMP-2存在下あるいはIGF-1存在下で、加圧条件下でおこなった。培養後、再生軟骨を回収し、3次元形状を測定したところ、シリコンテンプレートより若干収縮傾向は見られたものの、ほぼ同等の形状を示した。また、特徴的な軟骨基質であるGAGの産生も確認された。関節再生を目指した人工骨との複合化も、上記と同様にBMP-2存在下あるいはIGF-1存在下で、加圧条件下で軟骨細胞ペレットの接着を促進する方法で可能であった。2)移植部位の母床形成および組織張力の軽減のための処置検討では、再生組織の皮下移植に先行してシリコンテンプレートを皮下に移植し、移植母床の形成、組織張力の軽減を計る手法を検討した。動物にはヌードマウスを用い、再生軟骨を皮下移植する際に、あらかじめ、リコンテンプレートを移植し、移植後4週間で、移植したシリコンテンプレートを抜去し、その空間に再生軟骨を挿入し、移植後の形状をVIVID910で追跡した。その結果、移植軟骨と同一サイズのシリコンテンプレートの移植により、移植後の再生軟骨の3次元形状が維持されやすいことが示唆された。
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