研究課題/領域番号 |
21390543
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研究機関 | 神奈川歯科大学 |
研究代表者 |
久保田 英朗 神奈川歯科大学, 歯学部, 教授 (50170030)
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研究分担者 |
前畑 洋次郎 神奈川歯科大学, 歯学部, 講師 (80410009)
鈴木 健司 神奈川歯科大学, 歯学部, 講師 (80350536)
小澤 重幸 神奈川歯科大学, 歯学部, 助教 (40434394)
近藤 忠稚 神奈川歯科大学, 歯学部附属病院, 医員 (00587727)
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キーワード | ケモカイン / BRAK / メチル化 / EGFR阻害剤 |
研究概要 |
われわれは、ケモカインCXCL14・BRAKが、頭頸部扁平上皮癌に対する多剤併用化学療法の効果発現にどのような影響を及ぼすのか研究を進めてきた。これまでBRAKのプロモーター領域のメチル化及び非メチル化癌細胞群のスクリーニング結果より、メチル化を起こした細胞ではin vivoの実験系において、ゲフィチニブ単剤での抗腫瘍効果は得られないであろうとするのが我々の仮定であった。実際にBRAKのプロモーター領域のメチル化により、ゲフィチニブ存在下でBRAKの発現が回復しない癌細胞株では、in vivoの移植実験系でゲフィチニブが抗腫瘍効果を示さない結果を得ている。一方、メチル化阻害薬であるデシタビンの腹腔内投与によって、BRAKの発現が回復する癌細胞においては、デシタビンで抗腫瘍効果が確認でき、さらにゲフィチニブ投与がその抗腫瘍効果を増強する結果を得た。本結果が、実験で使用した癌細胞YCU-H891特有の結果ではなく、スクリーニングによってBRAKのプロモーター領域にメチル化を起こしていることを確認したすべての扁平上皮癌細胞株でも同様の結果が得られたことから、ゲフィチニブを応用した扁平上皮癌の治療効果に、BRAKのプロモーター領域のメチル化の有無が重要であることを見出した。また、治療効果の予測にBRAKのプロモーター領域のメチル化の有無が利用できることを証明した。
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