研究課題
本研究は第三の死いわれるオートファジーが口蓋上皮の癒合に関わる機能的意義を、Atg5ノックアウトマウスを用いて検討する。さらに、実験的口蓋オートファジーモデルを作成し、オートファジーを制御する分子の探索を行ことである。オートファジーは、細胞内のタンパク質代謝系の仕組みの一つであり、一度に多くのタンパク質が分解されることが特徴である。一方、非アポトーシス細胞死にも関与しており2)、オートファジーに関連する遺伝子の働きを抑制すると個体発生の過程で神経細胞等に異常が生じることが報告3)されている。しかし、口蓋の癒合に関わるオートファジーの役割は未だ検討されたことが無かった。これまでの研究で、口蓋上皮の癒合部においてオートファジーの存在について、LC3-GFPマウスを用いて検討したところ、癒合上皮においてオートファジーを観察した。しかしながら、オートファジーの機能を阻害するATG5のノックアウトマウスにおいて、当初の予測に反して口蓋裂は生じなかった。つまり、オートファジーは単独で阻害しても口蓋裂は生じないことが明らかとなった。これらの成果をまとめ、現在論文作成中である。一方、以外にも、オートファジーは骨組織において多く見られることがLC3-GFPマウスの解析から明らかになった。また、ATG5のノックアウトマウスにおいて骨の一部に形成不全が生じることを見出した。現在、これらの組織における解析、ならびに単離した骨芽細胞を用いた解析を行い、オートファジーが骨形成において果たす役割の分子機構を検討しているところである。
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Cells Tissues Organs
巻: (in press)
Calcif Tissue Int