• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2009 年度 実績報告書

咀嚼が海馬歯状回のニッシェに与える影響とそのメカニズムについて

研究課題

研究課題/領域番号 21390548
研究機関徳島大学

研究代表者

三留 雅人  徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (50261318)

研究分担者 須田 直人  東京医科歯大学, 医歯(薬)学総合研究科, 講師 (90302885)
キーワード歯学 / 神経幹細胞 / 海馬 / 歯状回 / 咀嚼 / 脳・神経
研究概要

咀嚼がマウスの中枢神経に与える影響を,海馬歯状回の神経幹細胞の分化動態を指標に調べた。4週齢マウスをA)通常の固形飼料を与える群(コントロール群),B)軟食摂取のモデルとして粉末飼料を与える群,およびC)歯牙欠損モデルとして,麻酔下で両側の上下の臼歯をすべて除去し,粉末飼料を与える群,の3群に分け,各群において,咀嚼に対する海馬歯状回神経幹細胞の影響を調べた。3つの群はそれぞれの条件で10週間飼育した後,分裂した神経幹細胞のマーカーであるBrdU(bromodeoxyuridine, 50μg/g b. w. )を1日1回,12日間投与した。投与終了1日後,各グループの半数を4%パラホルムアルデヒデドにて灌流固定を行い、固定後脳を取り出し,ビブラトームにて50μmの切片を作成し,海馬全体の連続切片を作成した。残りの半数はBudU陽性細胞の一定期間後の生存・分化を調べる目的で,さらに各条件で5週間飼育した後,灌流固定を行い同様の脳切片を作成した。結果としてコントロール群に比べて抜歯や粉末を与えた群のBrdU陽性細胞が減少し,海馬において神経幹細胞の分裂が低下していることが判明した。次に,マウスに硬質の飼料やかじり木により咀嚼を誘発し,同じ条件でBrdU陽性細胞を比較すると咀嚼を誘発した群では,BrdU陽性細胞が増加し,神経幹細胞の分裂が誘発されることを示した。さらに,マウスの片側を抜去して海馬の神経幹細胞の左右差を比較したところ,抜去側の反対側の海馬のBrdU陽性細胞が低下していた。このことは,口腔内の感覚情報が神経線維を介して海馬に入力し,神経幹細胞の増減に影響を与えている可能性が示唆された。以上のことより,咀嚼が海馬神経幹細胞の分裂に影響を与えることが判明した。

URL: 

公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi