研究概要 |
中枢神経の再生医療の中核を担うと考えられる海馬の神経幹細胞が,外部環境因子によって増殖,分化および維持が多様に変化するという報告がある。本研究は,最初に,臼歯抜歯や粉末食投与で正常な咀嚼を阻害すると,海馬における神経幹細胞の減少を引き起こし,その要因として一酸化窒素(NO)が関与している可能性が示唆された。次に,硬質飼料やかじり木などによって咀嚼を誘発すると,神経幹細胞の生存率を上昇させ,また,記憶や学習に関する行動が活性化した。以上のことから咀嚼が外部環境因子として海馬神経幹細胞の増減に影響を及ぼすことが示唆された。
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