研究課題/領域番号 |
21390553
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
和泉 雄一 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (60159803)
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研究分担者 |
長澤 敏行 北海道医療大学, 歯学部, 准教授 (90262203)
小林 宏明 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教 (50396967)
岩崎 剣吾 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 寄附講座教員 (40401351)
秋月 達也 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教 (50401378)
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キーワード | Wnt5a / 歯周炎 / 単球 / P. gingivalis LPS |
研究概要 |
Wntは組織の分化・発生、腫瘍形成と深く関わっている糖タンパクとして基礎研究が発展してきた。近年、心臓血管疾患・リウマチ・敗血症における炎症性の組織破壊にもWntシグナルが重要な働きを担っていることが明らかとなった。さらに、Wnt5aシグナルはマクロファージにおける炎症反応に不可欠であることが報告されている。 歯周炎は歯周病原細菌による慢性の炎症性疾患であり、歯周病原細菌のLPS、ロイコトキシンなどによる直接的な組織破壊に加えて、宿主の炎症反応が広範な組織破壊を引き起こすことが知られている。これまでに歯周炎組織におけるWnt5a発現に関する報告はなく、また単球におけるLPS誘導のWnt5a発現の分子メカニズムについて示した報告は少ない。 本研究では、健常歯周組織と比較して、慢性歯周炎組織においてWnt5a mRNAの発現が有意に上昇した。ヒト単球系細胞THP-1において、P. gingivalis LPS誘導のWnt5a mRNA発現が有意に上昇した。P. gingivalis LPS誘導のIkBa分解、およびWnt5a発現はNF-kB特異的阻害剤により抑制され、P. gingivalis LPS誘導のNF-kBのDNAへの転写活性はTHP-1において有意に上昇していた。さらに、IFN-_YはP. gingivalis LPS誘導のWnt5a産生を相乗的に増強させた。STAT1 siRNAを用いることにより、STAT1はP. gingivalis LPS誘導のWnt5a発現に重要な役割を果たすことが示された。
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