研究課題/領域番号 |
21390554
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
奥田 一博 新潟大学, 医歯学系, 准教授 (00169228)
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研究分担者 |
川瀬 知之 新潟大学, 医歯学系, 准教授 (90191999)
小神 浩幸 新潟大学, 医歯学系, 助教 (10463978)
永田 昌毅 新潟大学, 医歯学系, 講師 (10242439)
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キーワード | 培養骨膜シート / 多孔性ポリ乳酸膜 / 接着分子 / 冷凍保存 / アルカリホスファターゼ / カテキン / 抗酸化作用 / 近赤外線イメージング |
研究概要 |
「研究目的」1、高分子基剤との複合体を作成する条件を通して培養骨膜の性状について検討した。さらに2、培養骨膜の冷凍保存技術およびカテキンを用いた保存法の開発や3、生体内の石灰化を非侵襲的に評価法する方法についても検討した。 「研究結果」1、多孔性ポリ乳酸膜上で培養して作成した骨膜シートをマウス皮下に移植したところ、膜は吸収し周囲の結合組織から線維芽細胞の侵入と小血管の新生が起こった。骨分化誘導した骨膜シートにおいてポリ乳酸膜の破片は多数の毛細血管と酒石酸抵抗性酸ホスファターゼ陽性の多核細胞によって囲まれた。これよりポリ乳酸膜は骨膜シートの骨原性能力を高めるものであることが判明した。またポリ乳酸膜上で培養した骨膜シート上には多くの接着分子が発現していることからポリ乳酸膜は骨膜シートの弱点であった初期接着を克服するものであることが判明した。 2、骨膜片を初期培養後、ジメチルスルポキサイドおよび仔牛血清を含有した培地上で-75℃まで緩徐に下げた後、急速に37℃に解凍し培養して骨誘導に対する反応を評価したところ、骨膜細胞は急速に増殖し、アルカリホスファターゼ活性と骨芽細胞マーカーのmRNAが上昇していた。これより骨膜シートの冷凍保存が可能となった。またカテキン添加培養液で骨膜片を培養したところ、カテキンには冷温刺激から細胞を保護する抗酸化作用が働くことが明らかとなった。これよりカテキンによる培養骨膜シートの保存が可能となり臨床で使いやすい状況が生まれた。 3、同一個体における経時的骨形成観察を可能にするために近赤外線(NIR)イメージング技術の応用を検討した。骨肉腫病変の総体積と石灰化程度は2種類のNIR色素標識プローブによって高い感度で検出することができた。この撮影システムは、動物を犠牲にすること無く生きた状態で正確に診断することに役立つことが期待される。
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