研究課題/領域番号 |
21390557
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
栗原 英見 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (40161765)
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研究分担者 |
柴 秀樹 広島大学, 病院, 講師 (60260668)
水野 智仁 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (60325181)
武田 克浩 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (10452591)
日野 孝宗 広島大学, 病院, 講師 (20274102)
岩田 倫幸 広島大学, 病院, 助教 (30418793)
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キーワード | サイトカイン療法 / オーダーメード / 歯周組織再生 |
研究概要 |
本研究課題は、今後の臨床応用の拡大が予想されるサイトカイン歯周組織再生療法について、サイトカインに対する宿主応答性を基盤とした選択基準を確立するために、血小板由来増殖因子(PDGF-BB)、塩基性線維芽細胞増殖因子(bFGF),脳由来神経栄養因子(BDNF)について再生メカニズムの違いと特徴を明確にした上で、宿主応答性の違いを明らかにすることとした。本年度、(1)歯周組織再生カスケードの検討に関しては、実験的歯周炎を惹起させたビーグル犬III級根分岐部歯周組織欠損モデルを用いて、BDNF(50μg/ml)/高分子ヒアルロン酸複合体を投与した実験群と高分子ヒアルロン酸のみを投与した対照群の投与2週間後の組織観察を行った。HE染色において、対照群は、根分岐部直下への上皮細胞の浸潤が観察されたが、実験群は、歯槽骨再生はまだ十分ではないものの、著しい炎症性細胞浸潤や根分岐部直下への上皮細胞の浸潤は認められなかった。細胞増殖マーカーであるPCNAの免疫染色において、実験群は対照群と比較して、欠損底部付近の結合組織中にPCNA陽性細胞が多く観察された。(2)サイトカイン間の相互作用の解析に関しては、培養ヒト歯肉線維芽細胞にBDNFを作用させ、ヒアルロン酸合成酵素をターゲットにそのmRNA発現レベルをリアルタイムPCRで解析した。BDNFはヒアルロン酸合成酵素HAS-1、2、3のmRNA発現を促進した。(3)細胞の収集に関しては、細胞応答の解析及び最終年度の細胞応答と受容体遺伝子多型の相関解析のために、智歯抜歯時に患者から歯周組織の提供を受け、細胞分離、培養、凍結保存を行なった。同一個体からの、歯周靭帯細胞、歯肉線維芽細胞、歯肉上皮細胞を分離・培養、凍結保存を7個体において行った。
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