研究概要 |
75歳以上高齢者398人中、1歯以上残存歯があり、骨折の既往のない148名を対象にした。口腔内状態としては1歯あたり6点計測でクリニカルアタッチメントレベルを測定した。また、骨代謝マーカーとして、血清中オステオカルシン(骨形成マーカー)、血清中骨特異的アルカリフォスファターゼ(骨形成マーカー)、尿中デオキシピリジノリン(骨吸収マーカー)、尿中NTX(骨吸収マーカー)を測定した。腎機能の測定を目的とし24時間のクレアチニンクリアランスを測定した。 平均クリニカルアタッチメントレベル(Mean CAL)、6mm以上のクリニカルアタッチメントレベル(6+mm CAL)をもつ部位の割合と4種類の骨形成、骨吸収マーカー、および24時間のクレアチニンクリアランスとの関連をSpearmanの順位相関により評価した。。Mean CAL、および6+mm CALの占める割合については、血清中オステオカルシンと有意な負の相関が認められた(r=-0.26,p=0.002:Mean CAL;r=-0.32,p<0.001:6+mmCAL)。また、Mean CAL、および6+mm CALの占める割合については、デオキシピリジノリンと有意な負の相関が認められた(r=-0.22,p=0.010:Mean CAL;r=-0.31,p<0.001:6+mm CAL)。さらに、血清中オステオカルシンは24時間のクレアチニンクリアランスと有意に負の関連が認められた(r=-0.22,p=0.011)。 したがって、本調査結果から、血清中オステオカルシンは、腎機能との関連が認められると共に歯周病にも関連することが明らかになった。
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