研究課題/領域番号 |
21390560
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研究機関 | 九州歯科大学 |
研究代表者 |
高田 豊 九州歯科大学, 歯学部, 教授 (40163208)
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研究分担者 |
安細 敏弘 九州歯科大学, 歯学部, 教授 (80244789)
邵 仁浩 九州歯科大学, 歯学部, 助教 (10285463)
粟野 秀慈 九州歯科大学, 歯学部, 講師 (20301442)
園木 一男 九州歯科大学, 歯学部, 准教授 (50316155)
吉田 明弘 九州歯科大学, 歯学部, 助教 (20364151)
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キーワード | 高齢者 / 死亡率 / 口腔 / 歯 / 追跡調査 / 死因 / 地域住民 / 疫学 |
研究概要 |
80歳者12年間の追跡期間中に824名中506名が死亡(死亡率61.4%)、276名が生存(生存率33.5%)、42名が生死不明(追跡率94.9%)であった。死亡者506名中、心血管病死128名、呼吸疾患死96名、癌死87名、老衰死51名。男299名中230名が死亡(死亡率76.9%)、女483名中276名が死亡(死亡率57.1%)(x2=31/6、P=0.000)。80歳時の咀嚼機能か現在歯数と80歳~92歳12年間生存・死亡の関係をKaplan-Meier法とCox比例ハザード回帰分析で解析した。咀嚼可能食品数0~4個(咀嚼不良群)、5~9個(軽度不良群)、10~14個(軽度良好群)、15個全て(良好群)の4群に分けた。Kaplan-Meier法で、咀嚼機能4群の12年間生存率に差を認めた。男女別検討では、男性、女性ともに咀嚼機能と生存率に関係があった。現在歯数は0本、1~9本、10~19本、20本以上の4群に分けた。現在歯数4群間で生存率に差がなかった。心血管病死、呼吸器病死、癌死、老衰死の死因別生存率は咀嚼機能4群間に差を認めなかった。Cox比例ハザード回帰分析では、咀嚼良好群に比べて、性差を補正した全死亡相対危険率は咀嚼不良群2.1倍、軽度不良群1.4倍、軽度良好群1.3倍であった。咀嚼可能食品数が1つ増えるごとに性差補正死亡率は4.5%低下した。性差補正全死亡相対危険率は現在歯数20本以上群に比べ、0本群1.5倍、1~9本群1.4倍であった。性差補正後全死亡危険率は現在歯数が1本増えると1.5%低下した。性差補正後の死亡率は咀嚼可能食品数が1つ増えると4.5%、現在歯数が1本増えると1.5%低下することから、80歳住民の咀嚼機能が良く現在歯数が多いと死亡率が低下することが分かった。80歳の高齢者でも歯を残し咀嚼機能を保持することが長寿に寄与することが示唆された。
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