• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2010 年度 実績報告書

iPS細胞の臨床応用における歯科医療安全に関する基礎研究と安全評価方法の検討

研究課題

研究課題/領域番号 21390563
研究機関鶴見大学

研究代表者

花田 信弘  鶴見大学, 歯学部, 教授 (70180916)

研究分担者 野村 義明  鶴見大学, 歯学部, 准教授 (90350587)
今井 奨  鶴見大学, 歯学部, 講師 (80072958)
中村 芳樹  鶴見大学, 歯学部, 教授 (10097321)
山根 明  鶴見大学, 歯学部, 教授 (20166763)
佐藤 慶太  鶴見大学, 歯学部, 准教授 (00280975)
キーワードiPS細胞 / SCIDマウス / テラトーマ / 歯根膜細胞 / 癌 / 安全性 / レトロウイルスベクター
研究概要

【研究の目的】
iPS(Induced Pluripotency Stem Cell)は患者自身の細胞から誘導が可能であり、免疫拒絶やES細胞に関する倫理的な問題を回避できるため再生療法として注目されている。しかし、iPS細胞の誘導にはc-Myc等の癌遺伝子を導入すること、レトロウイルスベクターを使用することから、安全性が担保されているとは言い難い。現在、導入遺伝子の検討やベクターの改良などが行われているが、iPS細胞の誘導効率の低さが問題になっている。本年度は、我々が歯根膜繊維芽細胞から誘導に成功したiPS細胞の安全性を検討した。
【研究実施方法】
我々は歯根膜細胞からiPS細胞を樹立した。これらの細胞を3匹のSCIDマウスに皮下注射し、テラトーマの形成を検討した。対照として歯根膜細胞を同様の条件でSCIDマウス3匹に皮下注射し観察した。
【結果】
iPS細胞の誘導効率は0.025%であった。iPS細胞を注射したSCIDマウスでは9週間後には3匹中2匹に大きな腫瘤が観察された。対照である歯根膜細胞では、3匹中3匹に腫瘤は観察できなかった。組織切片を検討した結果、iPS細胞を注射したSCIDマウスの1匹からは、典型的なテラトーマが観察された。他の1匹からは癌の組織像が観察された。
【考察】
我々が誘導したiPS細胞は癌遺伝子であるc-Mycを用いていないにも関わらずiPS細胞の誘導効率は低い値ではなかった。しかし、SCIDマウスで3匹中1匹から癌に類似した組織像が観察されたことから、ヒトを対象とした再生医療に使用する場合、その発癌性が危惧される。現在、iPS細胞の誘導に関して様々な改良が加えられていることから、今後、iPS細胞の安全性の検討を改良にあわせて検討する必要がある。

URL: 

公開日: 2012-07-19  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi