研究課題/領域番号 |
21390564
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
齋藤 秀光 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (40215554)
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研究分担者 |
佐藤 喜根子 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (90261536)
上埜 高志 東北大学, 大学院・教育学研究科, 教授 (60176617)
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キーワード | 助産師外来 / メンタルケアサポート / 助産師 / 妊産褥婦 |
研究概要 |
ここ数年、産科医が不足し、産科病棟を閉鎖する病院が増え、分娩施設の集約化が進んでいる状況で、正常経過の妊産婦に対しては、助産師が妊婦健診や心理支援を実施する「助産師外来」の動きがある。しかしながら、本格的な妊産褥婦のメンタルケアを行う体制はまだできていないのが現状である。そのため、精神科医、臨床心理士を加えた有機的な連携により、助産師外来のメンタルケア体制を図ることを目的として本研究を開始し、今年度は助産師外来に勤務する助産師および通院する妊産褥婦の実能を把握するために質問紙調査を行った。3病院から有効回答を得られた妊産褥婦70名(妊婦57名、産褥婦13名)および助産師11名を対象とした。妊産褥婦に関しては、エジンバラ式産後うつ病質問票の平均得点は5.3点だったが、9点以上が22名いた。日本語版Hospital Anxiety and Depression Scaleの不安は4.0点、抑うつは3.4だった。対児感情尺度は、接近得点が28.4、回避得点が7.1、拮抗指数が24.7だった。以上より、平均点では問題なかったが、抑うつ症状を有する妊産褥婦もいた。周産期チェックシートから、つわりの問題、妊娠週数や出産についての心配事、子育て不安、マイナス思考、経済的な不安、経産婦では抑うつの既往の問題を有する妊産褥婦が多くいることがわかった。助産師に関しては、STAI-Yの状態不安は38.2点、特性不安は38.1点と、段階2だったが、病院間で差があり、状態不安が46.3、特性不安が48.5と、段階3の病院もあった。また、助産師外来で、産科疾患の知識、産科医との連携などの必要性に比べ、精神科医との連携や臨床心理士との連携は低かった。妊婦との信頼関係、時間をかけた関わりなどからやりがいを感じている反面、勉強不足、限られた時間、精神的問題を抱えた妊婦支援などの問題もみられた。
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