研究概要 |
本研究では,臨床看護の知識要素特定・臨床看護の動態をよりよく表現する構造特定・看護を含む標準医療計画(PCAPS電子コンテンツ)の開発支援を行い,実際のケースへの適用も試みる.標準計画・個別計画・実施計画・実施・実施後観察という臨床のプロセスの中で,どのように看護の経験知が組み込まれ,医療の質安全保証にどのように貢献しているのかを,「臨床における看護知識の構造化」という手段であきらかにする.これらの作業を通して抽出された経験知を構造化し,知識を再利用するための「医療の質安全保証に必要とする,臨床における看護知識の生産と管理を支援するシステム」の設計を行う.H21年度は以下を実施した. ・研究素材として用いる患者状態適応型パス(PCAPS)標準電子コンテンツを,結腸がん(結腸切除術)・乳がん(全摘・温存・再建)・慢性硬膜下血腫・訪問看護と決定した. ・PCAPS研究会メンバー(医師3名・看護師15名)および看護実践標準用語マスター作業班の協力を得て,コンテンツの開発・分析を行った. ・PCAPS標準電子コンテンツとして作成されたこれら標準計画を,臨床看護知識抽出の視点から分析した. ・標準計画に存在する臨床看護知識の構造として,「結腸がんコンテンツ:合併症発生およびその徴候の監視」「乳がんコンテンツ:患者ニーズへの新たな医療技術導入による反映」「慢性硬膜下血腫コンテンツ:治療に対する安静度の調整」「訪問看護コンテンツ:患者状態変動に対応するケア履歴」等を分析の観点として設定し,臨床看護知識の抽出を試みた. ・基本システム仕様に対する条件等を検討した. ・成果報告:国内(医療情報学会ワークショップ2009年11月・広島) 海外(国際看護情報学会議2009年6月・ヘルシンキ) 海外(アジア品質ネットワーク国際会議2009年9月・バンコク)
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