研究課題
経験型実習教育の研修プログラムとして、学内の助手・助教を対象にしたFD3回と臨床実習指導者との合同FDを2回実施した。また九州沖縄13大学の教員との合同FDで経験型実習教育における教材化についての講演とGWを2回、及び臨床実習指導者を対象にした研修会で経験型実習指導についての講演とGWを実施した。それぞれのプログラムにおいて、実施→評価と反省→問題特定→分析→計画→実施を繰り返し、研修プログラムのバージョンアップを図った。最後に実施した講演をDVDにした。学生へのアンケートでは、経験型実習教育の導入授業として実施している「看護実践論」の5コマの演習の前後で、実習に対する不安感の程度、期待感などについてアンケートを実施した。不安の程度は、5段階評価で演習前の最頻値が「5」、演習後の最頻値が「4」と、若干の不安の軽減は見られたものの、学生の不安感が極めて高いことが分かった。卒業生へのインタビューでは、学生時代の教育(経験型実習教育)によってどのように影響を受けたと感じているかを4名の卒業生に半構成的インタビューを行った。その結果、「看護師ではシステムのなかで仕事をすることが求められるため、ゆっくり考える時間的ゆとりがなくとまどった。」「モデルになる看護師はいたが、指導型の教え方だったので、とまどった。」「自分の看護を振り返る習慣は実習で身に付いていて、寝る前にその日の自分の実践の振り返りをしていた。」「大学の教育方法は、長期的に良さが表れてくるような教え方だと感じている。」「新人の時には戸惑いもあったが、3年目になると、技術的な面では問題なくなり、看護を楽しんでできるようになってきた。」などであった。今年度は講演のDVD作成はできたが、教材として活用する事例のDVDは作成できなかったため、次年度の課題とする。