研究課題/領域番号 |
21390573
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研究機関 | 聖路加看護大学 |
研究代表者 |
萱間 真美 聖路加看護大学, 看護学部, 教授 (60233988)
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研究分担者 |
太田 喜久子 慶應義塾大学, 看護医療学部, 教授 (60119378)
木下 康仁 立教大学, 社会学部, 教授 (30257159)
グレッグ 美鈴 神戸市看護大学, 看護学部, 教授 (60326105)
麻原 きよみ 聖路加看護大学, 看護学部, 教授 (80240795)
山本 則子 東京医科歯科大学, 大学院・保健衛生学研究科, 教授 (90280924)
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キーワード | 質的研究法 / 看護学 / 博士課程 / 論文審査 / 大学院教育カリキュラム |
研究概要 |
本研究の目的は、看護学の研究者と指導者に「質的研究方法を用いた看護学の学位論文評価基準」を広く周知し、看護学における質的研究方法を用いた学位論文の作成のための指導方法を提案することである。 今年度は、昨年度に引き続き、先行研究で作成した「質的研究方法を用いた看護学の学位論文評価基準」を用いて論文指導を行っている大学院指導教員と学生への前向きインタビュー調査を継続的に実施、分析を行った。また、日本の看護系大学において、質的研究方法を用いた学位論文指導をすでに行っていて、修了生を輩出しているエキスパートへのインタビュー(9名)を実施し、その内容を質的に分析した。作成したプロセス図は、アメリカの質的研究のエキスパートよりスーパーバイズを受け、改良を加えた。これらのプロセスを経て、日本の看護系大学におけるエキスパートの学位論文指導は「質的研究方法の知識を強化する」「多様なアドバイザーを確保する」「グループを使ってリサーチクエスチョンを明らかにする」「現象にあった概念を引き出すための学生の努力を促進する」「学位論文の審査委員会で再検討する」というプロセスをたどることが明らかになった。 これらの分析結果と前年度までに行ってきた海外でのインタビュー調査の分析結果と審査の陪席結果をもとに、さらに日本での看護系大学の質的研究方法を用いた学位論文指導のプロセスを洗練させ、本研究の結果を国内の看護学の研究者と共有していくことが必要である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
日本の看護系大学における大学院博士課程で「質的研究方法を用いた看護学の学位論文評価基準」を用いて論文指導を行った大学院の指導教員と大学院生へのインタビューとその内容の分析、検討を継続的に行った。また、これまでのエキスパートへのインタビュー調査から質的研究方法を用いた学位論文の指導方法に関するガイドライン案を作成し、アメリカのエキスパートよりスーパービジョンを受けることができた。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、海外および国内でのエキスパートインタビューの結果を共有するため、結果の公表を行う予定である。公表は、和文及び英文論文を作成していく。また、今後は、結果の共有を行う機会を提供するため、関係者を招きディスカッションの機会を持つことを考えている。
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