研究課題/領域番号 |
21390576
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研究機関 | 日本赤十字看護大学 |
研究代表者 |
川嶋 みどり 日本赤十字看護大学, 看護学部, 教授 (70367217)
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研究分担者 |
小板橋 喜久代 群馬大学, 医学部, 教授 (80100600)
尾崎 フサ子 佐久大学, 看護学部, 教授 (10211137)
千葉 京子 日本赤十字看護大学, 看護学部, 准教授 (40248969)
川原 由佳里 日本赤十字看護大学, 看護学部, 准教授 (70308287)
柳 奈津子 群馬大学, 医学部, 講師 (00292615)
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キーワード | 看護師の手 / マッサージ / 緩和ケア / 癒し / タクティルケア / 統合医療 / 手当学 |
研究概要 |
看護師の手が患者の安楽を図るための有用なツールであることを、基礎的研究、臨床研究により明らかにした。とりわけ臨床研究では対象の状態に応じて活用できる種々の方法についての効果を,主観的ならびに生理学的データ等を用いて明らかにすることができた。 1.ホリスティクタッチの効果の研究では、心拍数の減少が生理学的指標として明らかになった他、ストレスの軽減、安心感やリラックス感を促進する可能性が示唆された(小板橋班)。 2.がん患者の不快症状を緩和するマッサージの効果については、唾液アミラーゼ活性、脈拍数の減少から副交感神経優位が推察できた。主観的反応からマッサージがさまざまな症状緩和や精神的な安定を図ることが明らかとなり、皮膚を介して伝わる患者の反応が看護師の意欲を高める結果にも通じること、また、苦痛の場に居合わせる家族の気持ちを和らげたこと考察した(柳班)。 3.男女42名のボランティア高齢者に対して行ったタクティールケアのリラクセーション効果では、心拍数低下、皮膚血流量の増加、収縮期血圧の低下等とともに心理的な効果が明らかにできた(川原班)。 4.タクティールケアを、老年看護学の授業に取り入れた効果を明らかにするため、老年看護学実習における学生の学びを検討した(千葉班)。 5.寝衣の上から背部マッサージを行うことによるリラックス効果を明らかにする研究では、唾液アミラーゼの低下は認められた。主観的にはそばに話のできる人の存在により楽になった面もあり、マッサージそのものの効果は朗かではなかった(尾崎班)。 6.障がい児・者の看護に関心をもつ看護師を対象に、静的弛緩誘導法の基本・模擬体験学習の場を設けて手で触れることの意味づけを行った。目的意識的に手で触れることの重要性を再考し、本誘導法がコミュニケーションや緩和ケア、生活行動のセルフケアに活用できることを提言した(川嶋班)。
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