研究課題/領域番号 |
21390580
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
中尾 久子 九州大学, 大学院・医学研究院, 教授 (80164127)
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研究分担者 |
川本 利恵子 九州大学, 医学研究院, 教授 (40144969)
樗木 晶子 九州大学, 医学研究院, 教授 (60216497)
加来 恒壽 九州大学, 医学研究院, 教授 (60185717)
宮園 真美 九州大学, 医学研究院, 講師 (10432907)
木下 由美子 九州大学, 医学研究院, 助教 (30432925)
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キーワード | がん / 医療 / 看護 / QOL / チーム医療 / 文化的背景 |
研究概要 |
平成23年度は、主に日本および海外の医療・看護倫理の文献検討と、面接法を用いた調査を行う計画であった。 1.文献検討は、前年度に引き続き、がん医療・看護に関する臨床倫理や終末期医療に関する文献検討を進め、重要な倫理的課題の絞り込みを行った。患者の意向の尊重、がん医療に関する医学的適応と治療内容の選択に加え、患者の最善の利益の検討、患者と周囲の人々との意向の違いと合意形成の必要性は、がん医療・看護の倫理問題として重要な課題であることを確認した。 2.面接調査は、現在の日本のがん医療・看護の場で対処が必要と考えられる可能性が高い倫理的問題の把握と問題の明確化について、質問紙調査とあわせて検討する目的で行った。一次調査の調査で回答を得た後、さらに面接調査への研究の同意が得られた対象者に半構成的質問項目を用いて面接を行い、得られたデータは、逐語録に起こして分析を進めている。この過程で、同じ医療従事者でも、役割・立場による視点や価値観の違い、医療技術が進み早期診断・長期生存が可能になったからこそ生じる問題に対しても検討の必要性が示唆されたため、今後の検討に反映させていく予定である。 3.国内外のがん看護、生命倫理等と関連する学会で成果の発表を行い、研究課題に関する情報収集を行った。国際的に共通する課題として、治療選択や終末期医療・緩和ケアでは経済的側面や社会システムの課題を考慮する必要性、国内学会では高齢者人口の増加に伴う問題への対処の必要性が確認できた。 平成24年度は、これまでの取組み実績から、収集したケースの分析や検討を進め、その成果を国内外で公表していく。また、これまでに得られたデータを通して、日本の文化背景や医療現場に適し、看護者が活動する場で有用となる可能性の高い症例集作成に向けて研究を進める予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
計画に沿って文献検討を行っており、本研究課題に関心を持つ医療従事者を対象とした一次(質問紙)調査、二次(面接)調査を行っている。また、研究成果は段階的に国内外の学会、シンポジウム等で報告して検討内容を深める努力をしており、おおむね順調に進展していると考える。
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今後の研究の推進方策 |
当初計画に沿って着実に適切に研究を推進する。本研究のまとめの段階になるので、看護者が活動する場で有用となる可能性の高い症例集作成に向けて検討を深めていく。
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