研究課題
基盤研究(B)
本研究は、痛みを十分に表出できないがん疼痛を有する患者における除痛の確認に有用な補助診断の確立することを最終目的とし、その第一段階として、痛みの強さを評価できるがん疼痛のある患者を対象に、痛みの自己評価と心電図電位変動の変化による評価を行い、後者の方法によって患者の自己評価の代替指標となりうるのかを検討した。その結果、協力を得られた被験者のうち心電図電位に体動等によるアーチファクトのない8名の被験者では、VASやNRSとそれらに対応する区間の電位の平均値に有意な相関が認められた。さらにレスキュードーズ投与前後の自己申告区間と対応する心電図電位にアーチファクトのない5名を対象に、レスキュードーズのオピオイド投与前後比較を行った結果、VASやNRSによる自己申告、心電図電位の平均値は投与前に比べ、有意に低下した。サンプル数による限界はあるが、客観的な指標としての可能性が示唆された。
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