研究課題/領域番号 |
21390583
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研究機関 | 高知女子大学 |
研究代表者 |
藤田 佐和 高知女子大学, 看護学部, 教授 (80199322)
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研究分担者 |
森下 利子 高知女子大学, 看護学部, 教授 (80174415)
府川 晃子 高知女子大学, 看護学部, 助教 (30508578)
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キーワード | がん患者 / 在宅移行支援 / エンパワーメント / 看護ケア指針 |
研究概要 |
本研究の目的は、がん診療連携拠点病院をはじめとする急性期医療(病棟)に携わるジェネラリストの看護師が日常的に活用できる、“在宅移行するがん患者のエンパワーメントを支える看護ケア指針”をがん看護専門看護師(CNS)とともに開発し、がん診療連携拠点病院においてその有用性を検証することである。これに基づき、平成22年度は、以下の内容に取り組んだ。 1. がん診療連携拠点病院(急性期病院)の看護師が、がん患者の在宅移行支援を行っていく上で経験した困難や課題を3ヶ所のがん診療連携拠点病院の11名の看護師を対象に、面接調査を行い明らかにした。 2. 1.の結果と昨年度、国内外の在宅移行に関する文献から抽出した結果より作成した“在宅移行するがん患者のエンパワメントを支える看護ケア指針原案”を5名のがん看護専門看護師とともに検討し、以下の構造からなるケア指針を開発した。1)アセスメントシート(一次・二次アセスメントシート)2)在宅移行で予測される問題状況A:.在宅移行における症状緩和や医療処置への困難性、B:患者の日常生活維持の不十分と家族の介護力不足、C:患者と家族・家族間の在宅移行に関する意向のずれ、D:在宅移行に関する不安や気がかり、E:在宅療養する上で社会資源をうまく活用できない状況。3)在宅移行に向けた支援I:在宅移行に伴う意思決定への支援、II:在宅移行・療養に伴う心理・情緒的支援、III:在宅療養に必要なセルフケアへの支援、IV:在宅移行・療養に向け患者・家族のもつ力の発揮を促す支援、V:在宅療養を円滑に進めるための社会資源の利用・活用に向けた支援。 3. 開発した“在宅移行する終末期がん患者のエンパワーメントを支える看護ケア指針”を、6~7ヶ所のがん診療連携拠点病院おいて有用性を検証するために、現在、所属大学の看護研究倫理審査委員会を受審中であり、承認させれば、依頼に行く予定である。
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