研究課題/領域番号 |
21390586
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研究機関 | 日本赤十字看護大学 |
研究代表者 |
守田 美奈子 日本赤十字看護大学, 看護学部, 教授 (50288065)
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研究分担者 |
吉田 みつ子 日本赤十字看護大学, 看護学部, 准教授 (80308288)
奥原 秀盛 静岡県立大学, 看護学部, 准教授 (60288066)
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キーワード | 緩和ケア / 実践知 / がん / 看護援助 / ケアリング |
研究概要 |
本研究は、緩和ケアにおける看護実践能力の向上に向けて、緩和ケアを必要とする場面で看護師は、個々の状況に合わせてどのように看護を実践しているのか、その実態について「実践知の生成と継承」という視点から分析し整理することで、緩和ケアにおける看護援助モデルを構築し実践を通してそれを考察することを目的としている。 平成21年度は、以下の研究活動を行った。 1)緩和ケア&看護実践知研究会を定期的に開催し、実践知や緩和ケアに関する国内外の文献を収集し批判的に検討した。特にアリストテレスの実践知概念であるテクネーとフロネーシス中村雄二郎が提唱する臨床知の概念などをもとに、看護における実践知について検討した。さらに看護の分野で実践知を探求している佐藤、ベナーらの文献を批判的に検討し、本研究におけるデータ収集と分析の視点を探求した。それをもとに、緩和ケア経験のある看護師2名を対象にグループインタビューを行った。 2)米国の緩和ケアの実状および看護の実践知を探求する研究方法に関して知見を得るために米国コロラド大学を訪問し、関係者からヒアリングを行った。米国では緩和ケアの対象者はがん患者のみならず呼吸不全や心不全、神経筋疾患を持つ患者などに広がっていること、さらに緩和ケアは在宅に移行し在宅での緩和ケアを支える拠点として在宅ホスピスが機能しているなど米国の緩和ケアの現状も変化していることが分かった。また、緩和ケアの実践知の研究方法を検討するために、ヒューマンケアリングの概念を提供し世界的に著名な看護研究者であるジーン・ワトソン博士からコンサルテーションを受けた。ケアリング理論をフレームワークにしケアリングモメントを捉えること、また実践知の分析は、Being doing Knowingが一体となった概念であるプラクシスを軸に行うとよい、などデータ収集や分析についての助言を受けた。
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