研究課題/領域番号 |
21390590
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
鈴木 眞知子 京都大学, 医学研究科, 教授 (80179259)
|
研究分担者 |
川上 浩司 京都大学, 情報学研究科, 准教授 (90214600)
塩瀬 隆之 京都大学, 総合博物館, 准教授 (90332759)
清川 加奈子 京都大学, 医学研究科, 助教 (70432317)
|
キーワード | 重度障害児 / 感情音声合成 / コミュニケーション / 子育て / 子育て支援法 |
研究概要 |
研究成果 1. コミュニケーションインタフェース研究開発チーム 1) 昨年度の問題点の洗い出しを受けて、本年度はハードウェアの仕様を策定し、製作を外部に委託した。その結果、可搬性の高い専用ハードウェアは稼動しているが、その上に実装するソフトウェアは開発途上にある。 2) 汎用PC上で動作する廉価版のシステムも同時に開発しており、USB接続の汎用I/Oデバイスを介した自作センサモジュール、Blue Thooth接続の市販加速度・傾きセンサなどとの組合せを検証した。 3) 試作システムをユーザーズグループに紹介し、「かわいらしさ」などユーザの感性に関わる問題が現段階では解決されていない、などの評価を得た。これを受けて、開発の方向性を再検討した。 2. コミュニケーション子育て支援法研究開発チーム 1) 「コミュニケーション子育て支援」の普及 a. ガイドブックの作成:前年度に抽出された子育ての2つの重要な要素を指針に「コミュニケーション子育て支援ガイドブック」を作成し、計350部配布した。また、京都新聞(2011.1.7.朝刊)に関連記事が掲載され、成果を広く人々に配信した。 b. 研修会の開催:平成22年9月5日(日)、名古屋港湾会館でSMA家族の会が甲心となり、「コミュニケーション機器展示会&勉強会」を開催し、ガイドブックを紹介すると共に、意見交換を行った。また、SMA家族の会会報でそれらを紹介し、会員とその支援者に成果を還元した。 c. HPの開設:ガイドブックの普及と支援の強化を目指したホームページを開設し、継続的な発信の場を確保した。 2) 直接支援を通じたさらなる現状の把握と支援ガイドラインの検討 事例への直接支援をとおし、乳児期早期から発症し、重度な障害像を呈する子どもの親は、視線入力による意思伝達装置の使用を強く希望していることが分かった。その一方では、家族は子どものコミュニケーション力を育むための専門的できめ細やかな支援が得にくく、装置の適合性を充分に検討しないまま新しい装置に「飛びつぐ」傾向や装置に頼り発達に応じた関わりをあきらめてしまう傾向が伺えた。子どもの視機能の把握や装置導入の難しさなどから、返って装置が家族や子どもに負担を強いていると推察され、ガイドライン完成を最終年度の重要課題とする。
|