研究概要 |
最終年度における研究成果:本研究は、重度障害児の意思伝達方法獲得に向けた効果的な子育て支援のための仕組みづくりをはかるもので、身体機能を用いた感情豊かな音声合成インターフェースプログラム開発に特徴づけられたコミュニケーション子育て支援プログラムを開発することを目的とした。本年度はその最終年であり、効果検証の総括を行った。具体的には、 1.前年度に試作機の試用で判明した問題点,特に音声が機械的である点を解決するには至っていない、センサ部も試用に耐えるレベルになるのに年度末まで待つことになり,外注した二つの装置,すなわち専用ハードとセンサ部を合わせての試用や評価は年度内には実施できていない. 2.支援ガイドラインの提案と次への発展 家族とその支援者を中心に置き、その領域に特化した専門職者や経験者を「第3の力」として速やかに、かつ効果的に活用できるよう重度障害児のコミュニケーション子育て支援の仕組みとして、ガイドラインを考案した。このガイドラインは、特に、当事者同士が編み出した経験知を共に活用しながら、ニーズを把握するものであり、そこでは、単にニーズにあわせるのではなく、新たなニーズを、当事者やその支援者と共に発見し、シーズを見出し、専門家とも協働・連携しながら、支援策を開発するものである。次への課題として、機能が最後まで残存する視機能を活用したコミュニケーション装置の重度障害児への活用可能性を検討することとしている。 3.平成23年2月4日(土)成果発表会の開催と普及・啓蒙 京都大学医学研究科人間健康科学科で東京大学先端科学技術研究センター、中邑賢龍教授による基調講演並びに、本研究の成果発表会を開催した。参加者総数73名であり、内、人工呼吸管理中の子ども4名、東京・神奈川・名古屋・奈良・大阪・京丹後・滋賀・岐阜・福岡など遠方からの参加者を得た。また、CBCテレビによる撮影が行われ、参加者からの意見を得ると共に、コミュニケーションカ育成の重要性について普及・啓蒙を図った。
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