研究概要 |
国内外での家族エスノグラフィー,ミックス法を用いた家族機能/家族症候調査,臨床家への面接調査などからこれまでの研究を推進し,家族同心球環境理論 (Concentric Sphere Family Environment Theory: CSFET) (バージョン2.4),それに基づく家族環境アセスメントモデル(Family Environment Assessment Model: FEAM) (バージョン2.4)を完成し,海外のジャーナルで公表した.CSFETは,看護のメタパラダイムである"環境"に着目し,家族システムユニットと三次元環境を一体化してホリスティックに捉え,家族システムユニットを系統的に理解するための理論である.FEAMは,家族インタビューと観察(アセスメントツールを用いた家族インタビューと観察により,家族症候度をアセスメントする)と測定検査(6つの尺度により,家族機能状態をアセスメント)から構成されている. さらに,国内の家族看護学の専門誌『家族看護学研究』『家族看護』やジャーナルなどをメタアナリシスし,臨床家への面接調査などから,53の家族症候を同定し,標準家族看護計画の試案を作成した.また,家族環境支援モデル(Family Environment Intervention Model: FEIM)を確立した.これは,家族ミーティングを実施して,家族員支援,家族内部環境支援,家族外部環境支援を行う.家族員全員が集まった場での介入(家族ミーティングによるグループワークなどによる介入)に加えて,キーパーソンを間口とした介入(家族員の変化から家族ユニットの変化を起こす介入)により,臨地現場での活用が可能となるように設計してある.
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