研究概要 |
本研究の目的は、日帰り手術に向けての幼児の自律性を親と協働して支援する看護介入プログラムの有用性を検証することである。本研究の2年目にあたる平成22年度は、昨年の研究初年度に構築した研究基盤の基に、データ収集を継続することが第一の課題である。研究継続のために、データ収集施設内に設置されている研究倫理委員会に再度、研究計画書を提出し、本研究の最終年度までの研究実施の承認を得ることができた。6月中旬からデータ収集を開始し、3月末までに収集したデータ数は16ケース(介入群8ケース,非介入群8ケース)であり、予定していた30ケース/年には満たない状況であった。原因としては、1つは昨年度に大流行したインフルエンザの影響で、今年度は大きな流行はなかったが、緊急ではない子どもの手術を計画することを先延ばしにする傾向がやや続いていると思われ、特に冬季の子どもの日帰り手術数の減少が続いていることがあげられる。2つ目は主にデータ収集する研究者が年度後期は臨地実習等の教育活動が活動の大半を占め、データ収集に行けなくなる場合も多いことがあげられる。院生などのアルバイトを検討したが、院生も授業が多忙であり、依頼しづらい状況であった。今後は、子どもの感染が大流行しない限りは、徐々に以前の手術数に戻っていくと予測される。研究者のデータ収集活動の問題は、看護介入の均等化やランダムアサイメントを踏まえた研究対象者への説明と同意を得るプロセスには熟達した行動を要することもあり、依頼するアルバイトも吟味する必要があるために、引き続き地道にデータ収集を継続していくことと、臨床の共同研究者に協力を依頼することも重要であると思われる。それ以外の全体的な研究の進行としては、ランダムアサイメントや倫理的配慮などに対する対象者からのクレームやドロップアウト等はなく、順調に経過していると思われる。
|