本研究の目的は、日帰り手術に向けての幼児の自律性を親と協働して支援する看護介入プログラムの有用性を検証することである。本研究の5年目にあたる平成25年度は、研究初年度に構築した研究計画における最終年度にあたる。そのため、データ収集の継続と、これまでに収集したデータを分析し、研究成果を示すことが本研究における今年度の実施目標となる。昨年度末から今年度に収集したデータ数は41ケース(介入群22ケース,非介入群19ケース)であった。研究計画時に予定した30~40例/年を満たしていた。しかし、研究の全期間における合計のデータ数は研究計画時に予定した対象者数に満たない可能性が大きいため、介入群の対象者に対して、手術後の介入時に家族に聞き取った内容も含めて分析していく。予定した対象者数を満たすことができなかった原因としては、本研究の実施している当該施設において、対象となる症例数が昨今やや減少していると思われる。主な理由は医師やケアや診療システムの変更や、本研究の対象年齢である幼児期後期により以前に手術を実施する傾向が高くなっていると思われる。また、研究者自身も他の研究データの収集に時間が費やされたことも原因の1つであると思われた。本研究はランダムアサイメントを用いた介入研究であるため、倫理的問題に十分な配慮を行いながら研究参加を依頼し、研究を遂行した。研究遂行の現状はこうした慎重な研究プロセスによるものであるため、今後も研究対象者への十分な説明と実施後のフォローの重視を厳守しながら、データ収集活動を地道に継続していくと同時に、本研究課題において、現時点で収集したデータを分析し、本研究の研究仮説を検証していく。
|