研究課題/領域番号 |
21390602
|
研究機関 | 兵庫県立大学 |
研究代表者 |
坂下 玲子 兵庫県立大学, 看護学部, 教授 (40221999)
|
研究分担者 |
新井 香奈子 兵庫県立大学, 看護学部, 准教授 (00364050)
佐藤 拓一 東北大学, 大学院・歯学研究科, 講師 (10303132)
金 外淑 兵庫県立大学, 看護学部, 教授 (90331371)
|
キーワード | 高齢者 / 摂食機能 / 口腔保健 / 保健行動 / ヘルスプロモーション |
研究概要 |
平成23年度は、介入を実施した全4地区の結果を集計し、高齢者の口腔・摂食機能向上を促す地域支援ヘルスプロモーションモデルの構築を行った。 <方法>地域で生活する60歳以上の者を対象とし、集団体験学習と個別相談から成る月1回、3回の介入を実施した。集団体験学習のテーマは1)口腔健康状態の見方と口腔ケアの演習、2)口腔機能の見方と口腔体操、唾液腺マッサージの演習、3)口腔ケア継続の工夫や秘訣についての討議を行った。 介入の成果として、介入開始前、介入終了後、介入終了3カ月後で以下の点を検討した。1)セルフケア行動、2)口腔診査(う蝕、義歯、CPI、汚れ、歯石等)2)口腔機能検査(反復唾液嚥下テスト、オーラルディアドコキネシス等)、4)QOL(SF-8v2^<TM>、GOHAI)5)認知機能(MMSE-J)。 <結果および考察>対象者は60歳以上の男女合計150名であった。プログラムは、口腔セルフケア行動、口腔疾患および口腔機能、QOL、認知機能いずれにおいても有意な改善がみられた(p<0.0001~0.05)。その効果においてはいくつかのパターンがみられた。介入前と比較して、介入後改善し、介入後3カ月も維持されたものとして、歯みがき回数、デンタルフロスの使用、歯間ブラシの使用、口腔機能(総合)、身体的QOL、口腔QOLであった。介入前より介入後そして介入3カ月後と効果があがっていくものとして、CPI平均(歯周病)、処置歯、汚れ、歯石など口腔疾患の指標であり、口腔ケアが継続されることで一層の効果が表れたと考えられた。一方、介入後は効果がみられるが、介入後3カ月では、効果は減少ぎみになるものとして、前方舌能力、後方舌能力などの口腔機能や認知機能があった。機能の向上のためには比較的短い間隔での介入が重要であることが示唆された。
|