研究課題/領域番号 |
21390605
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
湯浅 美千代 順天堂大学, 医療看護学部, 先任准教授 (70237494)
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研究分担者 |
酒井 郁子 千葉大学, 大学院・看護学研究科, 教授 (10197767)
大塚 眞理子 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 教授 (90168998)
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キーワード | 認知症高齢者 / 身体合併症 / 看護スキル / 看護管理 / 普及 |
研究概要 |
本研究は、認知症高齢者が身体合併症のため、一般内科・外科病棟で治療を受ける際に必要な看護スキルを開発すること、および普及方法を含めた看護管理方法を開発することを目的とし、認知症高齢者が治療を受ける際に必要な(1) 看護スキルの開発、(2) 看護管理方法の開発、(3) 普及方法の開発という3つの研究に取り組んでいる。4年間の研究期間のうちの初年度である本年度は核となる知見の収集・整理にあたった。方法および結果は以下のとおりである。 (1) 看護スキルについては、認知症看護認定看護師を中心とした質問紙調査(計42名より回収)を行い、臨床現場で用いられている看護スキルを把握した。これらについて討議し、看護スキルの枠組みとして、認知症をもつ人との円滑にコミュニケーションできる能力、実行力などを駆使して困難な場面にあっても看護過程を展開する<対処能力>と、患者の微細な変化や異常を観察し、時間感覚をもって適時の介入を計る<予測能力>、これらを学び、チームとしての動きをとるための<連帯能力>を抽出した。 (2) 看護管理については、文献検討および認知症ケアに先進的に取り組んでいる管理者(30名)へのインタビュー調査を行った。管理者たちの実践としては、<認知症患者およびそのケアに関する情報把握と現状分析><認知症ケアの知識の普及のための仕組みづくり><師長の役割の確立>などがあり、その実践の基盤のために<理念浸透><倫理的環境づくり><個別ケースのコンサルテーション>などを行っていた。 (3) 普及方法については、他領域での普及活動(従来と異なる考え方をもつおむつと排泄ケアの普及)に関して、開発・普及者およびそれを受ける病院関係者へのヒヤリング調査を行った。文献検討をもとにロジャースによる普及の知見を枠組みとして構造化し、調査結果をこの枠組みに照らして分析し、新たな看護の知識・方法の普及に応用可能であるかを検討した。
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