研究概要 |
本年度は,土地荒廃の実態の状況確認と今後の研究の方針を立てることを主眼として調査を行った。まず。2009年5月に,中国成都を訪問し,中国における土地荒廃の実態と放射性核種およびリモートセンシングからの研究について,中国科学院山地災害研究所のZhang Xinbao氏らと現場調査を行い,議論を行った。その結果,中国においては,放牧地域はチベット問題等あるため調査は難しく,むしろ耕作地の森林化による土砂流出量の減少についてとらえた方が良いのではないかという意見を得た。また中国においては,多くの水土砂流出プロットがあることがわかり,その既存データを利用することにより,散水実験の代わりとなる可能性が得られた。そこで,2010年3月に中国科学院地理科学研究所の宋教授を訪問し,今後の水土砂流出プロットを用いた共同研究を提案し,受諾された。 また,韓国については,2009年7月および2009年12月の2回訪問し,散水試験の適地を選定した。また,リモートセンシングを用いた韓国・北朝鮮の浸透能推定については,韓国地質科学院のヤン教授の協力を得られることとなった。また散水試験時の流量・水質モニタリングのために,流量・水質モニタリングプローブを購入し,散水実験の準備を行った。
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