研究課題
プレアンコール期(9世紀以前)の真臘(チェンラ)の都城であるサンボープレイクック遺跡(カンボジア、コンポントム州)とワットプー遺跡周辺地域(ラオス、チャンパサック地方)を中心に、古代都市の立地条件を明らかにする目的で、地形・地質・地理学的調査ならびに考古学的調査をおこなった。2011年度は久保純子(研究代表者)、須貝俊彦(研究分担者、東京大学)、南雲直子(連携研究者、東京大学)、山形眞理子(連携研究者、昭和女子大学)、大坪聖子(研究協力者、早稲田大学)が参加し、現地調査をおこなった。カンボジア、サンボープレイクック遺跡周辺では、遺跡東方を流れるセン川氾濫原の微地形と堆積物の特色を明らかにするため、前年度3月におこなった機械ボーリングのサンプル分析(粒度、帯磁率、14C年代など)をすすめ、さらに2012年3月の現地調査では遺跡およびその周辺における簡易ボーリングとトレンチの観察、試料採取をおこなった(久保、須貝、南雲)。これにより、セン川氾濫原ではモンスーン気候を反映した水位変化が、河道周辺と後背湿地の堆積環境に顕著な違いをもたらしたことが明らかになった。ラオス、ワットプー遺跡周辺では、プレアンコールの都城とされるシェスタプラ周壁部においてトレンチ調査をおこない、考古学的調査とサンプル分析(粒度、14C年代測定など)をおこない、プレアンコール期の14C年代が得られた(山形、大坪、久保、南雲)。研究成果はINQUA(国際第四紀研究連合)など国内外の学会で発表し、また投稿論文として公表した(下記)。
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すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 4件) 学会発表 (6件)
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