今年度は前年度の状況を踏まえつつ、国内外の一次史料の検索・収集を分担者がそれぞれ単独調査を行う形で継続した。 まず上担は5月にアメリカ・スタンフォード大フーヴァー研究所で『蒋介石日記』の辺疆民族問題関連記述を引き続き閲覧したほか、同研究所が所蔵する1940年代中国辺疆民族問題関連の公文書を検索・閲覧した。8月末から9月初めにかけては英国立公文書館および大英図書館で中国辺疆民族問題関連の外務省文書および旧インド省文書を検索・閲覧した。さらに11月には台湾の国史館および中央研究院近代史研究所梢案館で1940年代の中国民族問題に関連する中華民国政府の公文書を閲覧・検索した。また東京のいくつかの大学が所蔵する英米の公文書マイクロ史料や公文書データベースを利用し、中国辺疆民族問題に関連する部分を検索・閲覧した。 寺山は9月から10月にかけてモスクワの旧共産党史料館、ソ連軍資料館等を訪問し、ソ連の民族政策関連史料を収集したほか、東京においても関連史料の検索・閲覧を進めた。 今年度の調査は昨年度の調査で検索・閲覧を開始した公文書史料を継続的に閲覧することで史料情報をより充実させるのと同時に、収集した史料の整理分析を並行して進め、来年度以降の成果公表に備えた。
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