研究課題
1.平成21年8月~10月にかけて、研究代表者1名・分担者3名・協力者1名がフランス及びイギリスに出張して、メコン河流域地域が植民地化される以前の在地文書の収集を目的とする調査を共同あるいは単独で行った。フランスではフランス外務省文書館(パリ)、海外古文書センター(エクサンプロヴァンス)、ディナン市文書館(ディナン)において、イギリスでは大英図書館(ロンドン)、ケンブリッジ大学図書館(ケンブリッジ)において調査を行った。その結果、従来全く利用されていなかった大量の在地文書が保管されていることを確認した。特に、フランス外務省文書館所蔵パヴィ調査団文書ならびにケンブリッジ大学図書館所蔵スコット文書の中に多くの現地語文書を発見することができ、ディジタル・カメラやディジタル・スキャンによる画像データとして持ち帰った。2.(1)パヴィ調査団文書は調査団関係者による日誌、種々の調査記録・収集資料、書簡等が68巻に集積されたものであるが、その中にさまざまな現地語・文字で書かれた文献が挿入されており、タム文字・白タイ文字・クメール文字・シャン文字・ビルマ文字・ラーオ文字・漢字の使用が見られた。それら現地語・文字文献について、ディジタル・カメラで撮影し、形式や内容の概要をリスト化する作業を行った。(2)ケンブリッジ大学図書館のスコット・コレクションにはビルマ文字・シャン文字・タム文字等の現地語文書が予想をはるかに超えて大量に含まれており、シャン文字で書かれた伝統紙製文書、ラーオ文字の布製文書など、貴重な史料を発見した。3.収集した文献をデータベース化するためた、データベース・ソフトを共同購入して導入した。各自が収集した文献のデータベース化・解題作成作業を進めながらフォーマットの検討を行い、平成22年度以降にデータベースの統合を目指すと同時に、伝統的政治権力の構造解明のための内容分析に取り組む。
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Akira Saito et Yusuke Nakamura(eds.), Les outilsde la pensee : Etude historique et comparative destextes, Paris : Maison des sciences de l'homme
ページ: 113-128
東南アジア史学会40周年記念事業委員会編『東南アジア史研究の展開』山川出版社
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新谷忠彦・C.ダニエルス・園江満編『タイ文化圏の中のラオス:物質文化・言語・民族』慶友社
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