研究課題/領域番号 |
21401016
|
研究機関 | 種智院大学 |
研究代表者 |
頼富 本宏 種智院大学, 人文学部, 教授 (50065934)
|
研究分担者 |
立川 武蔵 愛知学院大学, 文学部, 教授 (00022369)
内藤 栄 独立行政法人国立文化財機構奈良国立博物館, 学芸課, 部長補佐 (40290928)
松本 峰哲 種智院大学, 人文学部, 准教授 (40351275)
那須 真裕美 種智院大学, 人文学部, 講師 (40424973)
|
キーワード | インド文化圏 / 仏塔 / 奉献塔 / パーラ朝 / ネパール / スリランカ / 大乗仏教 / 密教 |
研究概要 |
今年度おこなった研究活動として、初年度に引き続き、現地調査の実施とその成果の検証作業に重点を置いた。本研究は、インド文化圏に現存する仏塔をキーワードとして、仏教伽藍の中で仏塔が果たす機能的な意味、とくに8世紀以降に盛行した顕密融合仏教における仏塔信仰の思想的意味と歴史的意義を明らかにすることを目的とするため、今年度の調査対象地を、インドに隣接するネパールとスリランカとした。 現地調査のうち、ネパール調査では、カトマンドゥ盆地に遺存している二つの巨大仏塔と、市内に多数存在する中型仏塔の基礎調査を実施した。また、スリランカ調査では、南インド仏教美術との関わりの深いアヌラーダプラを中心として、大乗仏教・密教の仏塔作例を検証した。アバヤギリ・ヴィハーラやポロンナルワからは、仏塔を模した形状の舎利容器が出土しており、また、それらの周辺地域からは密教尊像の出土例も知られていたが、今回の現地調査では、これまで見過ごされがちであった密教遺品とその信仰を確認した。また、昨年度の調査地であるガンジス河流域と比較して、相違点を検証することで、インド文化圏南部に特有の仏塔信仰の形態を新たに検討することができた。 なお、研究連絡会を通じて、研究分担者の間で現地調査を通じて得られた成果と情報を共有・検討し、それぞれの課題へフィードバックして研究を前進させている。
|