研究課題/領域番号 |
21401016
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研究機関 | 種智院大学 |
研究代表者 |
頼富 本宏 種智院大学, 人文学部, 講師 (50065934)
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研究分担者 |
内藤 栄 奈良国立博物館, 学芸課, 部長補佐 (40290928)
松本 峰哲 種智院大学, 人文学部, 准教授 (40351275)
SHAKYA Sudan 種智院大学, 人文学部, 講師 (60447117)
那須 真裕美 種智院大学, 人文学部, 講師 (40424973)
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キーワード | インド文化圏 / 仏塔 / 奉献塔 / パーラ朝 / バングラデシュ / ネパール / 大乗仏教 / 密教 |
研究概要 |
本研究は、これまでの2ヶ年を通じて、インド仏教文化圏における仏塔の構造・意義をとくに8世紀以降の顕密融合仏教の時代に絞り、総合的に調査・研究を行ってきた。最終年度となる本年度は、全体的な課題であるポスト・グプタ期からパーラ朝期に繁栄した高塔式仏塔、あるいは五祠堂型寺院の成立と発展についての問題に取り組むため、インド・ビハール州やバングラデシュ北西部に重点を置いた調査を行った。また、同時期に最盛期を迎えた小型奉献塔の考察については、ビハール州、オリッサ州、ネパール・カトマンドゥ盆地を調査対象とした。これらについては、年度初めの研究実施計画に基づき、一定の成果を得ることができた。 また、インド調査準備中に、本研究の前身に相当する平成17~19年度基盤研究(B)「中インド新発掘仏教遺跡の総合的研究」(課題番号17401008)で調査対象としたチャッティスガル州シルプル遺跡について、仏塔の発掘と顕密融合仏教期のブロンズ像の発見の報と調査の機会が得られたため、急遽調査対象地に加えた。 従来、仏像作例においては、8世紀以降の仏教遺跡では顕教系の作例と密教尊像の作例が並行して制作・信仰されていたことが知られているが、それは古い歴史を持つ仏塔でも同様であることが確認された。明確に表れる例としては、小型奉献塔に表現されるモチーフには、仏伝四相・八相などの顕教系従来型のものと、密教系四仏や菩薩像を加えた密教型のものが同一地域で並行して制作されていることが挙げられる。さらに詳細な考察・各論については、各研究分担者が担当して報告書として研究成果をまとめている。
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