研究課題/領域番号 |
21401017
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研究機関 | 東京芸術大学 |
研究代表者 |
佐藤 一郎 東京芸術大学, 美術学部, 教授 (30143639)
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研究分担者 |
木島 隆康 東京芸術大学, 大学院・美術研究科, 教授 (10345340)
工藤 晴也 東京芸術大学, 美術学部, 教授 (90323758)
中川原 育子 名古屋大学, 文学研究科, 助教 (10262825)
谷口 陽子 筑波大学, 人文社会科学研究科, 助教 (40392550)
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キーワード | 絵面材料 / 絵面技術 / シルクロード / 石窟壁画 / 油絵具 / キジル石窟 / 自然科学的光学調査 / 媒剤 |
研究概要 |
2009年13日から21日の9日間、北京からウルムチを経由してクチャへ入り、キジル千仏洞(中国・新疆ウイグル自治区)を実地に予備調査を行った。300ほどの石窟の中から、どの壁画を調査対象とするのかを見定めるために、そしてキジル石窟の全体像を把握するために、約50の石窟に入り、絵画材料、絵画技術の観点から、目視観察を続けた。また、次年度からのさらに一歩踏み込んだ調査研究を図るために、亀茲石窟研究所と中国国家文物局双方に、本研究の意義および実施計画を説明し、共同研究合意書の草案作成をおこなった。その合意書にしたがって平成22年度は調査研究を進めることになろう。 ベルリン・アジア美術館にはドイツ調査隊が持ち去ったキジル石窟壁画片が多数収蔵されている。2010年2月19日から2月23日まで実地に予備調査をおこなった。20世紀初頭に剥ぎ取られた壁画片調査の重要性を再確認するとともに、担当の学芸員とも現時点での研究成果をうかがうことができた。 本年度の実地調査とベルリンの壁画片調査で調査対象壁画の選定がほぼ完了した。最低3窟を行い、事情が許せば7窟ほどの石窟壁画を本格的に調査研究をおこないたい。 シルクロードの絵画材料、絵画技術の実態が明らかになれば、東西の文化、芸術における国際交流の様相を具体的に明らかにすることを目的とする本調査研究は、亀茲石窟研究所との共同研究交流を交えて、進展していくだろう。
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