研究課題
2011年7月8日、東京藝術大学油画技法材料研究室にて、中川原育子「キジル壁画における箔の使用とその意味」、谷口陽子「ベルリン・アジア美術館所蔵のキジル壁画片資料の自然科学的調査、および石窟構造からみたバーミヤーン壁画との比較」をそれぞれ発表した。2011年8月6日から18日の13日間、中国に渡り、7、8、9日と現地の亀茲石窟研究院に招待され、国際キジル学会において発表を行った。佐藤一郎「ベルリン・アジア美術館所蔵キジル石窟壁画の高精細画像写真」について、中川原育子「過渡期か、それとも晩期?キジル壁画様式研究にむけての初歩研究-キジル第114窟と第69窟を中心に-」について、室伏麻衣、谷口陽子「キジル石窟の開盤年代に関する再検討:^<14>C分析と石窟様式から」について、佐藤道子「色見本を使ったキジル壁画調査報告-アジア美術館所蔵の壁画片を使って-」についてそれぞれ発表した。2011年10月には、11日間新彊亀茲研究院第一副院長の張国領氏、同研究院第二副院長の趙莉氏を日本に招致した。滞在中、東京国立博物館蔵大谷コレクション、ル・コックコレクション、東京大学綜合研究博物館蔵ル・コックコレクション、平山郁夫シルクロード美術館蔵キジル壁画、龍谷大学博物館所蔵シルクロード絵画をそれぞれ調査した。19日には、東京藝術大学にて「キジル石窟シンポジウム」を開催し、これまでの研究の内容と成果を発表することができた。また、張国領氏、趙莉氏の両名と今後のキジル石窟の調査・研究に関して本格的に意見交換、情報交換ができたことは、大きな収穫であったと言える。2012年2月26日から3月4日までの8日間、キジル石窟:第205窟、224窟、213窟、222窟、207窟、171窟、172窟、167窟、38窟、8窟、13窟、47窟、新1窟、69窟、81窟、クムトラ石窟:第58窟、63窟、第68窟、69窟、79窟、第41~43窟(切除した壁画を一時的保管のために再利用)、第45窟、34窟、GK21窟、GK20窟、キジルガハ石窟:第11窟、12窟、13窟、14窟、16窟、23窟、25窟、30k通、31窟、32窟第27~28窟、第45窟、第46窟を調査、ウルムチ新彊ウイグル自治区博物館常設展示と特別展「故宮博物院清代新彊文物珍蔵」展見学、新彊芸術学院へ表敬訪問をおこなった。今回、絵画材料、絵画技術の観点から視察すると共に、デジタルデータ記録として本格的に調査するべく、カメラ機材を持ち込み、試験的にデジタル画像による写真記録を行った。今後の本格的調査研究の基礎が固まった。
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『名古屋大学加速器質量分析計業績報告書』XXIII
ページ: 127-137
Preprints for ICOM-CC 16th Triennal meeting, Lisbon 19-23 September 2011
ページ: 156