研究課題/領域番号 |
21401018
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応募区分 | 海外学術 |
研究機関 | 広島市立大学 |
研究代表者 |
服部 等作 広島市立大学, 芸術学部, 研究員 (50218509)
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研究分担者 |
中野 照男 独立行政法人国立文化財機構東京文化財研究所, その他部局等, 研究員 (20124191)
奥山 直司 高野山大学, 文学部, 教授 (50177193)
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研究期間 (年度) |
2009-04-01 – 2013-03-31
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キーワード | チベット / 河西回廊 / 国際情報交換 中国 / 密教美術 / 工芸美術 / シルクロード / ヒマラヤ / 甘粛省 |
研究概要 |
本研究による成果は,河西回廊に中国初の騎馬民族の五胡十六国の樹立により「遊牧民族の座法が五涼の仏座像に及ぼした影響」を胡座や交脚の起居慣習が敦煌莫高窟(275窟)や柄霊寺石窟(169窟) 初期窟の仏像の座法に適用され半跏思惟や交脚弥勒菩薩が北西インドから漢民族の平座(正座) に一大革命をもたらした内容を示した。河西回廊は、インドの仏教が国際化する過程で騎馬民族国家パルティア、クシャン朝が栄えるなかヘレニズム世界の影響をもつ化粧皿の図像から「立像と横臥像からなる饗宴と化粧皿の図像」について前述した河西回廊の仏座像表現に影響した内容を示した。さらに「光学的調査及び蛍光X線分析による壁画ドルナ像の検証」の研究(中野)は、天山南道経由で河西回廊に至るインド・イランからの文化的な一端を文化財保存の視点から明示した。 また河西回廊は、西北インド・カシミールやネパールからヒマラヤ山脈を越えラサからの吐蕃古道が青海省同仁県-甘粛省夏河県を経て河西回廊に通じる巡礼路の役目を担ったとした。古道沿いの現地調査は、合作寺やラブラン寺に伝わった奉納芸能と密教寺院の荘厳内容を調査(平成25年2月20日~3月2日、チベット農業暦で旧正月)、その弥勒行道の儀礼が古い宗教パレードに通じるとし「スバシ出土舎利容器と信仰の姿」の研究でその一部をまとめた。 さらに古道沿いに位置する白崖寺洞窟の入洞調査で吐蕃期の古い行者修行の内容を確認できた。また曖昧な東チベット国境線をめぐる紛争のなかでも青海省同仁県の寺院や夏河県白塔寺が吐蕃古道沿いで隆盛した内容を明らかにできた。 以上の現地調査では、日中間で島嶼(尖閣列島)問題、中国各地の反日暴動に呼応した日本外務省の渡航の是非検討勧告、中国側の西藏自治区への外国人の入境禁止措置などが隘路となったが、現地の研究ネットワークと継続的調査でさらなる研究が期待できる。
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現在までの達成度 (区分) |
理由
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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