1.ローベルト・ムージルの書簡(1934年9月30日付け)を新たに発見した。2.ブルノ(チェコ)の州文書館にてムージルの先祖の生没年記録を電子データ(7件)として取得。Matej Musil (ca.1637-15.01.1695)が現存する、確認可能な最古の先祖であり、長男Pawelについては死亡記録のみあることから、ムージル家が1661年から1670年のあいだに他所からRychtarovに移住したと推定されることがわかった。3.ジュネーヴの戸籍役場にてムージルの死亡記録を閲覧、メモし、死因が明記されておらず、むしろ死因の記載を避けていることが分かった。さらにジュネーヴの国立公文書館にて、保管されているムージル関係の文書すべてのコピーを得た。そのなかの1枚に、ムージルのカードは「特別扱い」になっていることを示唆するものがあった(自殺説の傍証になりうるもの)。4.著書"Robert Musil und der genius loci"の記述について、訂正を求めるもの、新情報などが寄せられたため、調査、確認を行った(1903年のベルリンの最初の住居、祖母アロイージアの詩作と見られていたものが、別の詩人の宗教詩であったことなど)。5.ドイツ語版ホームページの拡充。とりわけ、日本のムージル研究者たちの日本語の著書の目次をドイツ語訳し、おおよその内容が世界の研究者に分かるようにした。
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