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2012 年度 実績報告書

言語・文化調査に基づくイラワジ・サルウィン流域諸民族の歴史の解明

研究課題

研究課題/領域番号 21401021
応募区分海外学術
研究機関東京外国語大学

研究代表者

新谷 忠彦  東京外国語大学, その他部局等, 名誉教授 (90114800)

研究分担者 ダニエルス クリスチャン  東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 教授 (30234553)
研究期間 (年度) 2009-04-01 – 2013-03-31
キーワードタイ文化圏 / イラワジ川 / サルウィン川 / チン / ナガ / カチン / ラワン
研究概要

計画最終年度の本年度は、まず、中国雲南省の徳宏地区を中心にした調査で、サルウィン系タイ語で書かれた文書の解読を進め、メコン系タイとの歴史的・文化的相違を一層明確にすることができた。イラワジ流域での調査からは、カレン系言語の全体像を把握することのできる32種の言語・方言を網羅した比較語彙集を完成させた。この中の半数程度はこれまで全くデータのなかったか全く知られていなかった言語・方言であり、世界的にきわめて貴重な成果となっている。また、チン系言語、ナガ系言語、ラワン系言語、カチン系言語、北方モンクメール系言語の調査も進め、タイ文化圏における言語データを一層充実させることができた。こうした調査の中で、長年言われてきた「カチン語群」というグループが全く成り立たない語群であることが明確になるとともに、カチン社会がサルウィン系のタイであるシャン社会にきわめて似た構造を持つ社会であることも次第にはっきりしてきた。同時に、今回調査のできたナガ系の3種の言語は、相互に隔たりがきわめて大きく、彼らをナガ族としているものは一体何なのか、今後解明しなくてはならない課題も浮かび上がってきた。一方、その3種のナガ語の一つ、シャンケ語は明らかにジンポ語との関係が認められ、カチン社会の成り立ちに関して大きなヒントが得られた。つまり、ジンポ族がイラワジ上流域に進出し、先住民族を包摂しながら現在のようなカチン社会を形成していったのではないかと考えられる可能性がある。こうした成り立ちはサルウィン河流域で、シャン族が先住民族を包摂しながらシャン社会を形成していった過程とも類似している。

現在までの達成度 (区分)
理由

24年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

24年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2012 その他

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件) (うち招待講演 1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Script Without Buddhism: Burmese Influence on the Tay(Shan) Script of Mang Maaw as seen in a Chinese Scroll Painting of 14072012

    • 著者名/発表者名
      Christian Daniels
    • 雑誌名

      International Journal of Asian Studies

      巻: 9-2 ページ: 147-176

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 英国ケンブリッジ図書館所蔵タイ(Tay)文字現地文書に関する概説報告2012

    • 著者名/発表者名
      クリスチャン・ダニエルス
    • 雑誌名

      メコン川流域地域在地文書の新開拓と地域史像の再検討―パヴィ調査団文書を中心に

      巻: 1 ページ: 11-17

  • [雑誌論文] チェントゥンのランナー領域への進出とチェンラープの帰属をめぐるタイ文字現地文書2012

    • 著者名/発表者名
      クリスチャン・ダニエルス
    • 雑誌名

      メコン川流域地域在地文書の新開拓と地域史像―パヴィ調査団文書を中心に

      巻: 1 ページ: 49-59

  • [学会発表] 東南アジアにおける茶の消費の仕方

    • 著者名/発表者名
      クリスチャン・ダニエルス
    • 学会等名
      東南アジア学会
    • 発表場所
      京都文教大学
    • 招待講演
  • [図書] A Handbook of Comparative Brakaloungic Languages2012

    • 著者名/発表者名
      SHINTANI Tadahiko L.A.
    • 総ページ数
      xvi+148
    • 出版者
      Research Institute for Languages and Cultures of Asia and Africa

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公開日: 2014-07-24  

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