研究課題/領域番号 |
21401022
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研究機関 | 東京外国語大学 |
研究代表者 |
呉人 徳司 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 准教授 (40302898)
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研究分担者 |
遠藤 史 和歌山大学, 経済学部, 教授 (20203672)
風間 伸次郎 東京外国語大学, 大学院・総合国際学研究院, 教授 (50243374)
白石 英才 札幌学院大学, 経済学部, 准教授 (10405631)
呉人 恵 富山大学, 人文学部, 教授 (90223106)
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キーワード | 北東アジア諸言語 / 結合価 / 類型論 / 語彙的接辞 / 音韻論 / 文法記述 / コピュラ / 民話テキストのデータベース化 |
研究概要 |
平成22年度はメンバー各自がそれぞれの研究対象である北東アジア諸言語の文法の記述に重点を置き、また多くの民話資料の整理・分析を行ない、データベース化を進めた。具体的には以下の通りである。 呉人(徳司)は、チュクチ語の動詞の結合価について類型論的視点から考察し、その成果を2010年の9月にスウェーデンでの国際学会で発表した。また、モンゴル語の他動性について記述研究を行ない、その成果として英語で論文を執筆し、方言間の類似点と相違点を探った。本科研費による研究の成果としてLinguistic Typology of the North(Vol.2)を出版した。さらに、チュクチ語の民話テキストのデータベース化を進め、その一部(15編)をロシア語訳付け、ホームページで公開した。 呉人(恵)は、(1)2010年の9月にロシアのハバロフスク市にコリャーク語話者を迎え、文法調査並びにテキスト分析を行なった。(2)文法研究の成果を2010年の9月にスヴェーデンでの国際学会、または国内の研究会で2回口頭発表を行なった。(3)口頭発表の内容を更に充実させ、Linguistic Typology of the North (Vol.2)に英語で論文を執筆したほか、『北方言語研究』(第1号)に日本語の論文として寄稿した。 遠藤は、現地調査によって収集した資料の整理を進めつつ、ヨヘリソン、クレイノヴィチ、クリロフらによる資料も加えて、類型論的な視点から形態論・統語論的特徴の考察を進めた。特に、接辞と倚辞の区別によるユカギール語固有の形態論的特徴、それによる各構文の特徴づけ、情報構造のより精緻な把握に基づく複文構造の分析等に類型論的な考察を行った。 風間は、主に類型論の視点から記述研究を行ない、その成果として、Linguistic Typology of the North(Vol.2)にツングース諸語の語彙的な接辞とコピュラについて英語で、ナーナイ語の複文について『北方言語研究』(第1号)に日本語で論文を発表した。また『ソロン語基礎語彙』を出版した。 白石(ニヴフ語)は、現地調査の成果として、ニヴフ語の逆受動構文について日本語で論文を執筆し,母音の削減などについて英語で海外の学会で発表した。また、ロシアの研究者と協力して、音声資料の分析を進め,民話テキストを一冊の本として出版した。
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