研究課題
本科研の研究成果をまとめるために2010年1月23・24「環オホーツク海地域における前近代交易網の発達と諸民族形成史の研究」の国際研究集会を開催した。ここで、オホーツク海北岸地域において、古コリャーク文化・アタルガン期に入ると、住民が鍛冶を行い、銛頭にまで鉄製ブレイドを使用できる程度にまで鉄鋼製品が普及したことを確認できた。このアタルガン期の年代10-13世紀には、対岸オホーツク海南岸の終末期オホーツク文化でも鉄製ブレイドが装着された銛頭が普及することがら、環オホーツク海規模の交易の発達段階を想定できることが指摘された。また,この交易システムの復原・評価のために不可欠な考古学データも得られた。それはハバロフスク総合博物館におけるニコラーエフスク・ナ・アムーリェ空港遺跡出土土器の観察結果であり、Biotiteを含むものが20~30%にのぼる事実である。礼文島香深井1遺跡や網走市モヨロ遺跡ではその値が0.5%ほどであることが確認できており、この低減率は交易活動にともなう土器の移動(距離)、集団関係などを推定するために重要なてがかりとなる。貨幣(古銭)の分布や人類遺存体の形態・DNA分析などの調査も着実に進んでおり、2010年度以降の総合化をめざしている。
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