研究課題/領域番号 |
21401025
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
八尾 隆生 広島大学, 大学院・文学研究科, 教授 (50212270)
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研究分担者 |
桃木 至朗 大阪大学, コミュニケーションデザイン・センター, 教授 (40182183)
武内 房司 学習院大学, 文学部, 教授 (30179618)
嶋尾 稔 慶應義塾大学, 言語文化研究所, 教授 (90255589)
松尾 信之 名古屋商科大学, 経営学部, 教授 (40308838)
西村 昌也 関西大学, 文化交渉学教育研究拠点, 助教 (60469236)
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キーワード | 莫氏 / 莫朝 / 家譜史料 / 碑文史料 / 档案史料 / ハイズオン省 / クアンニン省 / 故宮博物院図書文献館 |
研究概要 |
本隊はヴェトナム・ハイズオン省のハイズオン市、チリン県、ナムサック県、キンモン県、タインハ県で莫氏一族の後裔約20件を訪問し、家譜(漢文および現代ヴェトナム語版)、諸私文書、金石史料(主に碑文)、口碑史料(直接インタヴューによる)などを収集した。このうち碑文2基の分析は代表者である八尾がすでに着手しており、初歩的報告も行っている。 莫氏支派は各家ともカオバン省に比べはるかに「莫氏」としてのアイデンティティをもち、それを強化・維持するための史料を豊富に残してはいるが、その一方で「逆賊」と見なされていた黎朝後期時代(17-19世紀)の情報に乏しく、莫氏本宗と血縁的に具体的にどうつながっているかを示す史料は皆無に等しかった。年代記や『越〓書』などと比較対照しながら個々の支派と本宗との関係を復元する必要性をあらためて痛感した。 支隊(桃木班)は本隊合流前に、昨年度調査が不十分に終わったカオバン省の莫氏城跡を再調査し、黎朝前期の城郭との連続性を確認した。 もう一つの支隊(武内班)はヴェトナムにおける史料不足を補うため、台湾の故宮博物院図書文献館及び中央研究院歴史語言研究所傅斯年図書館において、清代中国-ヴェトナム関係に関する中国側の档案史料を調査し、主として19世紀以降清末までの各種档案史料を収集した。このうち後者はまだすべての文書が公開されてほおらず、来年度以降も追加調査が必要である。 本年度は考古班はクアンニン省にて、大越国の外港である雲屯関係の貿易陶磁出土資料調査を行い、14-18世紀における外港機能の盛衰を明らかにし、クアンニン省とバックザン省における莫氏の城跡踏査を行い、時期的構造的特徴を明ちかにした。
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