研究課題/領域番号 |
21401026
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研究機関 | 武蔵大学 |
研究代表者 |
黒岩 高 武蔵大学, 人文学部, 准教授 (60409365)
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研究分担者 |
吉澤 誠一郎 東京大学, 人文社会系研究科, 准教授 (80272615)
佐藤 実 大妻女子大学, 比較文学部, 助教 (70447671)
青木 隆 日本大学, 文理学部, 准教授 (20349947)
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キーワード | 回民 / 中国ムスリム / イスラーム / 少数民族 |
研究概要 |
研究期間の2年度にあたる本年度は、研究計画に従って、山東省・広東省の回民(中国ムスリム)コミュニティを中心に、3回の現地調査を行い、碑文資料の収集及び聞き取り調査を行った。 まず、8月9日~8月19目の期間に研究代表者、研究分担者(吉澤・青木)、連携研究者(古市大輔)、研究協力者(中西竜也)の6名により、山東省済南・済寧周辺の7つの回民コミュニティを対象に調査を行い、碑文資料50点余り(デジタル画像)と聞き取りデータ等の他、貴重な族譜資料を得た。また、2月21日~年3月2日の期間には、山東省済南と徳州の回民コミュニティにおいて、研究代表者と研究協力者(宮田義矢)による共同調査を行い、中国ムスリムの伝統武術についての文献資料収集と聞き取り調査を行った。さらに、3月8日~3月15日の期間に研究代表者、研究分担者(佐藤・青木)、研究協力者(矢島洋一)の4名により、広東省広州、湖北省武漢周辺の5つの回民コミュニティを対象に調査を行い、碑文資料40点余り(デジタル画像)と聞き取りデータ等を得た。 これらの収集資料の分析は各地コミュニティのありかたの多様性とコミュニティ相互のネットワークに注目しつつ、中国各地の回民コミュニティの歴史的変遷を考察することをめざす、本研究課題の研究活動の根幹となるものである。収集した資料は代表者・分担者・連携研究者・研究協力者がそれぞれのテーマに従って分析を進めているが、10月30・31日には京都大学、3月29日には武蔵大学において収集したアラビア語・漢語合壁の碑文の釈読に関する検討会を代表者・研究協力者.連携研究者の間で開催し、引き続き共同で論考執筆作業を進めている。これは、従来の研究では十分に解明されていない初期の回民コミュニティのありかたに、複数の専門領域の研究者が共同して接近しようとする意欲的な試みである。
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